09/12/17 00:52:52.08 m3Vqek0Y0
日曜日の夕暮れの頃だった。
その頃俺はハルヒとの不思議探索を終え、今すぐにでも寝転がりたいなんて怠惰な欲求と戦いながら自転車を引いていた。
「・・・・・・キョン? キョンじゃないか」
何処かで聞いた事のあるような、懐かしい声が俺を呼んでいる。
重力に負け、うな垂れている首をゆっくりと起こすと、えらい美人がそこに居た。
髪の毛は少々短めで、可愛いというよりは凛とした、美しいといった雰囲気だろうか―。
「キョン、下を向いて歩いていては車に引かれてしまうよ?」
「・・・・・・あのー、俺の知り合いの方でしょうか?」
知らない人が"キョン"だの"貴方"だのと俺を呼んだら、大概ハルヒ絡みだとこの1年にも満たない期間で俺は悟っていた。
だから、だから俺はこんな失礼な発言をしてしまったのだろう。
「くっく・・・・・・、少なくとも君の発言を聞くまで僕達は友人関係だと思っていたんだけどね。
どうやらそれは僕の勘違いだったらしい、ねぇキョン?」