09/12/11 01:52:59.58 Mxtmr7LO0
「んむ。じゃ、帰りましょう」
「あっ、待って。アンタ、忘れ物は?」
「えー……と、あー、いや」
「…………。そっか。ふふっ、帰ろ?」
「あ、ああ」
かなみと一緒に学校を出る。時刻は既に夕刻、すぐにでも日が落ちるだろう。
「アンタってさー……よく分かんないわよね」
「そう見えないかもしれないが、人間です」
「知ってるわよ! そうじゃなくて、……なんか、いい奴なんだか嫌な奴なんだか、よく分かんない」
「ちょお善人ですよ?」
「……あはっ、分かった。自分でそう言う善人はいないから、アンタは嫌な奴。決定♪」
「なんという誘導尋問か」
「嫌な奴だから、これから先の人生、アンタ色んな人から嫌われっぱなしね。かわいそー」
「勝手に人の人生を決められた」
「……だ、だからさ。……今だけ、あたしが少しだけアンタのこと、好きになってあげる。か、感謝しなさいよ?」
そう言いながら、かなみは俺の手をきゅっと握った。
「ふひっ!?」
「なっ、なんて声出してるのよ!」
「い、いやあの、びっくりしまして」
「……そ、そう。……嫌じゃない?」
「全然! ちっとも! それどころか嬉しさのあまり俺の脳でなにやら興奮物質が分泌されてる模様!」
「う……」
「かなみ?」
「う、うるさいっ! 嬉しいとか言うなっ!」
かなみは顔を真っ赤にして俺に怒鳴った。
「いや、言う。俺は言うね。かなみに手を握られて俺は嬉しい」
「だっ、だから、嬉しいって言うなーっ!」
「ははははは。ちょお幸せ」
「ああもおっ! やっぱアンタって嫌な奴っ!」
なんと言われようと手を離さないかなみだった。
528:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/12/11 02:00:25.92 DBSAZ31XO
>>524-527
ありがとう、ありがとう
いい話です
○○製薬
529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/12/11 02:16:01.17 jEHCrhWe0
>>527
GJ!!
やっぱりかなみが一番可愛いという事を再確認した
530:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/12/11 02:28:11.65 MU1pXAu2O
お休みツンデレ
531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
09/12/11 02:35:17.50 num8XAaH0
おやすみほ