09/11/20 12:02:43.25 qhSA/LHO0
452 :名無しさん@十周年:2009/11/19(木) 17:56:20 ID:ckxeZ+yK0
今日、ちょうど朝日新聞社を退職した中年の男が
ひとり、駅前の立ち食いそば屋で一杯のそばを食べている。
エビの天ぷらが一尾のっかった一杯500円のそばだ。
男は20年も前からほぼ毎日昼休み行きつけの店で
3千円のランチを食べていたので、ここへ入ったのは初めてだ。
当然、話す理由なども特にないのだが、今日
男は自然に自分と同年齢であろう店主に話しかけていた。
「おやじ、今日俺退職したんだ」
「へぇ・・・テラワロス」
会話はそれで途切れた。
ほかに特に話題があるわけでもない。
男の退職は、今日がこも街を訪れる最後の日であることを表していた。
すると突然、男のどんぶりの上にエビの天ぷらが
もう一尾乗せられた。
「おやじ、いいのか」
「なーに、気にすんなって」
男は泣きながらそばをたいらげた。
些細な人の暖かみにふれただけだが涙が止まらなくなった。
そうだ、このエピソードを記事にしよう、と思ってから15秒後に、
現実に戻ってうなだれた。
そして財布から500円玉を取り出す、
「おやじ、お勘定!」
「800円」