10/06/06 10:05:53
・夜間に家庭教師をしても糊口(ここう)をしのぐのは困難
・長期の休み中は食料事情が悪化
・1カ月の所得は最低生計費の30%水準
・「低賃金よりつらいのは雇用不安」
・「専任になるのは両班に登り詰めるようなもの」
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教育科学技術部、自殺した講師の調査
地方の国立大の非常勤講師Aさん(43)は、授業が終わった夕方には、高校生向けに英語の家庭教師をしている。
昼は大学生、夜は高校生を教える生活が11年続いている。Aさんは2000年に非常勤講師となり、同時に家庭教師も
始めた。Aさんは、「二人の子どもを育てるためにどうしようもなかった」という。Aさんは二つの仕事を掛け持ち
しながら奔走しているが、小学校6年生、2年生の娘と息子は、何とかピアノ教室に通える程度だ。
しかしAさんは、「わたしはほかの非常勤講師に比べて授業時間が長く、授業も多い方だ」と話す。非常勤講師らが
「端境期」と呼ぶ夏休みがもうすぐ訪れる。Aさんの家族は、正規の授業がない夏休みや冬休みになると収支がマイナスに
なり、学期中に稼いだ収入で少しずつ賄うという悪循環を繰り返している。Aさんは「大学講師だというのに、家庭教師を
しているということで恥ずかしく、屈辱を感じる。家庭教師として教えた生徒が大学生になり、わたしの授業を受講するとき
には、とてもじゃないが、その学生が座っている方を見ることができないくらい情けなかった」と話した。
大学の非常勤講師が「高学歴貧困層」に転落してからずいぶんたつ。教育科学技術部によると、今年4年制の一般大学
186校の非常勤講師の時給は、平均3万6400ウォン(約2770円)だ。4年制大学の非常勤講師は6万3000人以上で、
全体の講義担当者の62%にも達する。その月給は平均40万 6250ウォン(約3万930円)で、4人家族を基準とした最低
生計費(136万ウォン=約10万3540円)の30%にも満たない。
釜山で非常勤講師として働くユ・ユニョンさん(42)は、2005年から週に3時間講義をし、月給55万ウォン(約4万1870円)
程度を手にしている。ユさんは「それでもほかの大学よりも給料が多く、わたしはましな方だ。塾講師として駆け回る同僚も
いる」と話す。
非常勤講師が、低賃金よりもさらに恐れているのは「雇用不安」だ。教科部によると、昨年8月の時点で非常勤講師の
契約期間は、6カ月以内が 88.3%に達している。
昨年、釜山のある私立大学で英文学を教えていた非常勤講師のBさん(47)は、今年になって理由も分からないまま大学を
追い出された。英文学科で授業を廃止しておいて、Bさんには通知すらしてくれなかった。「相当数の非常勤講師たちは、解雇
理由をまともに教えてもらっていない」と話す。ソウルのある私立大で非常勤講師をしているCさんは、「午後8時半以降の講義を
担当させられ、受講人数が基準に満たなかったため、講義が廃止になったこともある」と話した。
非常勤講師らは、授業配分や講師採用の裁量権を握っている専任教授の前では、ヘビににらまれたカエルのようなものだ。
地方の国立大の非常勤講師ハ・チェチョルさん(48)は、「論文の代筆をさせておいて、論文の審査料まで代わりに出して
おけという教授もいる」と話す。成均館大学で非常勤講師をしているイム・ソンユンさん(45)は、「非常勤講師から専任教授に
なるのは、奴隷から両班(朝鮮時代の特権階級)になるようなもの。だから非常勤講師たちは、借金をして集めた金を渡して
でも教授になろうとする」と話した。
教科部は、教授採用に関する汚職や論文代筆を告発する遺書を残して自殺した大学非常勤講師ソさん(45)の事件と
関連して、5月28日から今月1 日まで、現場調査を実施した。教科部はソさんとかかわりのある大学で、遺書の内容通り、
新規採用時に金品の要求や論文代筆があったのかどうか確認し、問題点が見つかった場合、厳格な措置を取る予定だ。
ビョン・ヒウォン記者
朝鮮日報: 2010/06/06 09:37:31
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