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【上海=河崎真澄】5月1日の開幕から1カ月が経過した中国の上海万博で31日、
累計の入場者数が800万人を突破した。しかしこの数は当初目標の約3分の2に
すぎず、上海市当局や万博事務局では住民に無料の万博入場券をバラまいたり、
学校や職場に団体入場の動員をかけたりして挽回(ばんかい)に躍起になっている。
中国当局は、10月末までの半年間の会期で、1970年の大阪万博が記録した
6422万人を超える史上最高の7千万人を目標としており、今後もメンツをかけた
組織的な動員作戦が続きそうだ。
入場者数は5月14日まで1日当たり20万人前後で低迷していたが、15日に
いきなり33万人5300人となった。21日からは連日30万人を超えて、29日に
50万5千人と開幕以来最高を記録。31日は午後3時の段階で30万3600人と
なり、累計で800万人を超えた。当初は1日あたり平均38万人の入場を予想していた。
目標数を大きく下回っているとはいえ、予約券方式の中国館をはじめ、日本館
やドイツ館、スイス館など人気パビリオンでは連日、長蛇の列ができ、平日でも
3時間から4時間待ちは避けられない。このため、障害者や幼児連れの入場者
のために用意された優先ゲートが“不正”に使用されるケースが報告されている。
31日付の上海紙、新聞早報は、3歳以下の幼児向けに会場で貸し出している
ベビーカーに小学生とみられる子供を乗せ、優先入館する親が後を絶たないと
報じた。また、車いすの入場者に3、4人が付き添って優先ゲートに並び、入館
後に車いすから「障害者」が立ち上がって元気に歩き出すケースが多数目撃され
ているという。
障害者の証明書がなくとも年配者の場合、車いすでの優先入館を配慮する
パビリオンも多く、「善意の悪用」が常態化している。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)