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【中日新聞・テーマを読み解く】日韓関係(上)~「坂の上の雲」の裏側[05/09] - 暇つぶし2ch1:ピアノを弾く大酋長φ ★
10/05/16 22:39:18
テーマを読み解く 日韓関係(上)

「坂の上の雲」の裏側 李 鐘元

角田房子著『閔妃暗殺』ほか

 日本の「韓国併合」から今年で百年となる。くしくも日本では明治初期への関心が高まり、司馬遼太
郎『坂の上の雲』のドラマも始まった。まさに日本が「坂の上の雲」をめざし、近代国家の第一歩を踏
み出したそのときに、朝鮮半島は坂の下に転げ落ちるような歴史をたどった。

 和田春樹『日露戦争―起源と開戦』(上)(下)(岩波書店)は、約千ページの大作である。日露だけ
でなく、韓米中など関係国の新史料を駆使した高い実証性と、記述の詳細さには圧倒されるが、「ロ
シア南進の脅威」や「防衛戦争」など、「司馬史観」への批判を縦糸に、日露韓三国の動きが交錯す
る国際政治のドラマが克明に描かれ、大河小説のように一気に読める。

 和田が指摘するように、日清と日露戦争は「朝鮮戦争」でもあった。朝鮮をめぐる争いであり、朝鮮
を戦場や後背地として戦われたという意味である。脅威論と強硬論が響き合い、「併合」と戦争への
道が政策的につくられていく構図は帝国主義時代の典型だが、今も示唆するところが多い。

 日清戦争直後の一八九五年、朝鮮の王妃(韓国では「明成皇后」と呼ばれる)が、王宮に侵入した
日本人によって殺される事件が起きた。韓国人の歴史認識に深く刻印されているこの歴史的悲劇を
取り上げ、日本社会の関心を喚起したのは、角田房子『閔妃(ミンピ)暗殺』(新潮文庫)であった。朝
鮮公使三浦語楼(ごろう)が主導したことは知られていたが、その「背後」はいまだに解明されていな
い。金文子『朝鮮王妃殺害と日本人』(高文研)は、新しく公開された日本側史料に基づいて、陸軍参
謀本部の関与節を提示する。

 一九四〇年に実施された「創氏改名」は、日本の植民地支配政策の象徴ともいえよう。朝鮮社会の
宗族集団の力を弱め、日本式の家族制度を導入することが目的であったが、水野直樹『創氏改名』
(岩波新書)によると「日本名」の「督励」の実態は「同化と差異化の両面」を持ち、複雑であった。「朝
鮮人を内地人と区別できなくなる」と危惧(きぐ)する批判論が日本政府内にも根強かったという事実
は「内鮮一体」を掲げた植民地統治の矛盾を表していて興味深い。

李 鐘元(リー・ジョンウォン)
1953年、韓国生まれ。立教大学法学部教授・国際政治。著書に『東アジア冷戦と韓米日関係』『歴史
の中の国際政治』など。

ソース:中日新聞 2010年5月9日付 朝刊10面 読書面(紙ソース)


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