10/05/15 01:47:01
■なぜまた、日本なのか … 李ジョンナク東京特派員
いまだに気持ちが一向にすっきりしない。北朝鮮の金正日国防委員長の中国訪問の際に中国が
見せた態度のためだ。傲慢さが玄海灘を越えて感じられるほどだ。中国外交部の姜瑜スポークス
マンは、天安艦沈没事件と関連して、「真相が明らかになるまで、両国(韓国と北朝鮮)は冷静で
節度を保ち、言動を慎重にすべきだ」と述べた。相手の国民に対して、言動を慎重にしろとは、一
国の外交部スポークスマンが話す言葉なのか。隣国国民を教え諭そうと言わんばかりの非礼と
受け取るほかはない。
中国共産党発行の国際専門機関紙「環球時報」は、それ以上だ。「中国は大国として、周辺諸国
で起きる各種論争・衝突に対して、一方の言うがままに肩を持ってやることはできない」と傲慢に
振る舞った。
中国のこういう態度を見て、やや突飛だがありそうな想像をしてみた。私たちの歴史で中国の影
響力が及ばなかった20世紀初頭から国交が樹立された1992年までが、両国間の外交史で一番
幸せだった時代で記録されるだろう、と。
米国と共にG2の一方の軸に成長した中国の影響力がますます高まるだろうという予想はしてき
た。だが、こんなに早く相手国の威信を蔑視することができる位置にのぼるとは思わなかった。
いま韓半島が置かれている最近の政治状況を見ても中国の地位を実感させる。北朝鮮を何とか
6者協議に復帰させようとする中国に対抗して韓国と米国、日本がこれを制止して国連安保理に
提訴しようとする局面が、まさにそうだ。
経済分野においても中国のパワーは圧倒的だ。韓国と中国の交易規模は、1992年の63億7911
万ドルから、昨年は1409億4930万ドルへ22倍にも増加した。これは、韓国と日本(712億ドル)、
米国(667億ドル)との交易規模を合わせた額よりも多い。
昨年、取材のためベトナム、タイ、シンガポールに行ったことがある。これら東南アジアの大部分
の商圏は、既に中国に移っているのを確認することができた。シンガポールで会ったある実業家
は、「シンガポールが香港やマカオのように中国の支配下に入っても、大部分のシンガポール人
は歓迎するだろう」という話までしたほどだ。
それでは、我が国はどうすべきだろうか。我が国は、これらの国のように中国の影響圏に編入さ
れてはなるまい。そうであれば共同戦線を展開できるパートナーを探さなければならない。日本
が答えだ。日本は「沈む太陽」だとして、直ちには同意できない人もいるだろう。しかし日本は、
世界第2位の経済大国の位置から降りているとはいえ、相変らず先進強国だ。我が国がグロー
バル市場で最高の競争力を見せている先端製品の核心部品・素材の大部分は、日本が供給
している。中国が中・低価格市場を席巻し、高価格市場で韓国と競争しているなか、共同連合
戦線をしいて対抗することができるパートナーも日本だ。
偶然にも韓国と日本は、北朝鮮の核の脅威と中国の高度成長という最大の挑戦に共同で直面
している。これが、両国が教科書や日本軍慰安婦など敏感な問題を抱えていながらも緊密な関
係を模索しなければならない理由だ。
幸い、暗い過去を持った両国が最近変わる姿を見せていることが肯定材料だ。第2次世界大戦
以後、日本に一方的に押されていた韓国だが、最近になって日本を相手にする余裕が出てきた。
国際的地位が高まった結果だ。1980年に日本の国内総生産(GDP)が世界の9%を占めていた
のに対して、韓国は0.5%に過ぎなかった。しかし2008年には日本が8.1%に下落した反面、韓
国は1.6%まで存在感を高めた。グローバル市場で日本と肩を並べる韓国企業も次から次へと
現れ始めた。日本の産業界が韓国を追いかける場面も出てきている。
日本国内の雰囲気も、何年か前とは全く違っている。日本の知識人らが東京の真中で「韓日
併合は源泉無効」と宣言した。地上波と衛星TVの11個のチャネルで毎週35個の韓国ドラマを
放映している。日本との不幸だった100年を越えて新しいパートナーシップを構築できる基盤は
用意されている。
▽ソース:ソウル新聞
URLリンク(www.seoul.co.kr)