10/04/21 19:40:03
日本最初の私立美術館として知られる大倉集古館(東京都港区)にある石塔が
日韓併合下の韓国から持ち出されたものとして、現地で「返還」を求める動きが起きている。
20日、韓国の市民団体代表らが来日し要望書を渡したが、
集古館側は「大切に保存しつつ一般公開しており、ここで展示したい」としている。
今年は日韓併合100年にあたり、議論の種にもなりそうだ。
集古館などによると、石塔は高麗時代の11世紀に作られ、現在の韓国・利川(イチョン)にあった。
1915年ごろ、ホテルオークラ創業者、大倉喜七郎の父喜八郎が日本に持ち帰った。
現地には対となる石塔が残っているが、損傷が激しいという。
市民団体側は「利川に戻されるべきだ」と、昨年11月から署名活動を始め、約6万人の賛同を得たという。
一方、集古館側は「今すぐ寄贈することは考えていない。ただ、文化交流は積極的にしていきたい」とする。
文化庁によると、石塔は33年、国の重要美術品に認定。根拠となる法律は50年に廃止されたが、
現行の文化財保護法付則に「(重要美術品の)認定物件は当分の間効力を有する」との規定がある。
文化庁は「文化財を巡っては、65年の国交正常化時の協定で、
約1300点を韓国側に『寄贈』することで決着した」との見解で、
「今回の問題は、お互いに話し合ってもらうほかないが、重要美術品に認定された状態では、
法的に国外持ち出しは規制される」とする。【曽田拓】
毎日新聞 2010年4月21日 東京朝刊
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