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- 保守系団体が抗議、慰安婦講演会キャンセルに 名古屋央 -
名古屋市内で17日に予定されていた戦時中の慰安婦問題の講演会が、保守系団体の圧力
で会場のキャンセルに追い込まれていたことが分かった。抗議を受けた貸しホール「桜華会館」
(同市中区三の丸)の職員が主催者に相談し、主催者側がやむなく利用中止を決めた。今後、
別会場での開催を検討する。
講演会は、韓国在住の元慰安婦の女性を招いて証言を聞くもの。韓国併合100年の節目に、
歴史を学ぶのが狙いだった。新日本婦人の会愛知県本部が主催し、2月に予約を入れていた。
会館によると、最初に抗議があったのは今月10日。保守系団体のメンバーを名乗る約10人
が突然、会館を訪れ、「なぜ、開催を認めたのか」「やめさせろ」などと、一人で応対した職員に
要求した。サングラス姿の男性が「胸ぐらをつかんでもいい」など、脅迫めいた言葉を投げかける
場面もあったという。
桜華会館は、神田真秋愛知県知事が顧問を務める財団法人が運営しており、施設の一部は
県が所有している。県遺族会連合会の事務所や、戦没者の遺品を展示する「平和記念館」も併設。
10日以降も、「英霊を侮辱するのか」などと抗議電話があり、別の男性が訪れ、職員に「自決
するか、会場使用を断るか」と迫ったという。
その後、別の保守系団体の関係者から、講演会のある4階ホールの下の3階の会議室に予約
が入った。団体に関連するホームページ上では、会議室で講演会に対抗するパネル展を開くこと
や、抗議活動への集結を呼びかける書き込みもされた。
混乱を心配した会館職員は13日、婦人の会に連絡を取り、講演日に会館内や近くで勉強会や
結婚式があることなどを説明し、「周辺に迷惑をかける可能性がある」と伝えた。婦人の会は14日、
自主的に予約を取り下げた。会館の責任者は「キャンセルを求めたのではなく、混乱が予想される
ので、どうされますか、と聞いた」と説明する。
婦人の会の水野磯子代表委員は「会館から働きかけられ、残念だがキャンセルを選んだ。慰安婦
の生の声を静かな環境で聞きたいためで、脅しに屈したのではない。歴史の事実を伝えるため、
別の会場を探して講演会を開く」と話している。(西本秀)
ソース : 朝日 2010年4月16日20時17分
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