10/04/07 20:03:16
韓国の人口統計は実際の人口を正確に反映していない可能性が高いとの指摘が出ている。幼児（0－4歳）と
就業年代（15－54歳）は実際より多く、50代後半、高齢者（65歳以上）を実際より少なくすることで、少子化・
高齢化問題を過小評価させる危険性があるとの指摘だ。
人口統計は、社会の安全網を確立し、国民年金や健康保険、雇用保険など各種福祉制度を策定するためのベース
で、国家統計の基本といえる。人口統計専門家のパク・ユソン高麗大統計学科教授は9日、同大経済研究所主催
のフォーラムで、これらについての分析結果を発表する。
■最大174万人の差
韓国の人口統計は、行政安全部が集計する住民登録人口、5年ごとに統計庁の調査員が各家庭を訪問して作成
するセンサス（人口住宅総調査）人口、統計庁がセンサスを基に各要因を考慮して作成する推計人口の三つだ。
政府はこのうち、推計人口を公式統計と見なし、これを基に各種政策を策定している。
ところが、これら三つの統計の間で最大174万人の差が出ている。最も数値の多い住民登録人口と最も少ない
センサス人口とでは、3－4％の格差が生まれている。センサスを基に作成した推計人口とセンサス人口も、
100万人の差がある。米国や日本、カナダは、センサスの結果を公式の人口と見なすため、このような差は
生まれない。
■若者人口、過大評価の可能性
推計人口とセンサス人口の差が、主に就業年代に集中しているのが問題だ。
2005年のセンサスの場合、15－64歳の人口は、センサスよりも推計人口の方が89万人多かった。15歳未満の
人口も16万人以上、推計人口の方が多かった。一方、65歳未満の人口はあまり差がなかった。
パク教授は「政府が就業人口の規模を過大評価し、結果的には高齢化問題の支障となる可能性がある」と指摘
した。
■省庁により異なる数値
統計庁はこれについて、「統計数値の間で差が発生するのは仕方のない面もある」と説明している。韓国は、
日本や米国と異なり、全国民に番号を振り当てる住民登録制度を施行しているが、住民登録の人口は、登録上
の住所と実際の居住地が異なっていることが多いため、正確ではない。かといって、センサスの人口に頼ると、
家族構成や生活方式が複雑なため、計上されないケースが生まれる。統計庁は、住民人口とセンサスの数値に
差があるため、推計人口を設定している説明している。
パク教授は「統計数値の間に差があるのもそうだが、なぜそうした差が生まれるのか説明できないのが問題だ」
と主張した。統計庁は、推計人口を求める方法を外部に明らかにしていない。
また、統計数値が省庁ごとに数値が異なるのも問題だ。統計庁は05年の推計統計では01年7月－02年6月までの
出世児数が53万人だった。しかし行政安全部の同期間の出生児は51万人だった。また、法務部と外交通商部の
出入国者数統計では出国した子どもの方が多かったが、統計庁の統計では逆に入国した子どもの方が多かった。
パク教授は「出生統計や出入国者数の統計が誤っていない限り、説明できないミス」と語った。02－03年と
04－05年の出生児統計でも、似たようなミスが出ている。
統計庁の関係者は「正直、（統計庁が作成する推計人口には）説明しにくい部分があり、（各省庁で出た統計
を互いに）と見比べると、間違っている可能性もある」と述べた。
金秀恵（キム・スヘ）記者
朝鮮日報 2010/04/07
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