10/04/06 18:03:39
南太平洋漁港開発のため、韓国もソロモン諸島に投資
ライバルは日・中・台
世界マグロ戦争が発生した。中国人がマグロを好んで食べるようになったことから、世界でマグロの需要が
増え続けているが、その一方で、マグロ類の数は減っているためだ。共同通信などによると、中国のマグロ
消費量は2000年の200トンから07年には6000トンへと30倍も急増している。こうした中、世界にマグロ保護
運動が広がっている。
先月、カタールのドーハで開催されたワシントン条約（正式名称：絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際
取引に関する条約＝CITES）締約国会議では、大西洋・地中海産のマグロの取引を禁止すべきという提案が行
われた。この提案は日本や中国の強い反対で否決されたが、今後もマグロ漁を規制しようという声は高まるも
のとみられる。事実、世界のマグロ漁獲割り当ては5年前に比べ6000トン以上減っている。
韓国も、マグロ確保合戦に名乗りを上げた。韓国政府は官民合同により、昨年5月から南太平洋のソロモン諸島
で最大1000億ウォン（現在のレートで約84億円、以下同じ）という漁港開発を推進している。来年の着工を
目指し、11社が参加する「ソロモン・プロジェクト投資団」が昨年末、結成された。マグロ漁船が活動する
南太平洋諸国への援助も行う。こうした国々との関係を良好に保てば、マグロ漁に有利だからだ。
中国は既に南太平洋のマーシャル諸島でマグロ加工工場を稼働させており、パプアニューギニアには01年、
2600万ドル（約25億円）の無償援助を行っている。このように、南太平洋諸国をめぐり、世界の主要各国は
マグロ漁の操業権確保のため「ラブコール」合戦を展開している。
南太平洋の漁場は、世界のマグロ漁獲高430万トンの半分以上を占める。南太平洋8カ国（PNA）は今年2月、同
地域に投資しない国には操業権を与えず、今後、操業船舶を減らす際に「優先減縮対象」にするという「コロ
宣言」を発表した。このため、年間マグロ漁獲高の90％をPNA地域に頼っている韓国にも黄信号がともった。
韓国政府や企業は、ソロモン諸島に船舶2隻を収容できる全長245メートルの埠頭（ふとう）・マグロ加工工場・
船舶修理所・油類貯蔵所などを建設する予定だ。東遠産業・思潮産業・SK海運などの企業が約600億ウォン
（約50億円）を、発展途上国援助資金である対外経済協力基金（EDCF）が300－400億ウォン（約25－34億円）
を負担する案が検討されている。
日本・中国・台湾といったライバル国・地域は、韓国より一足先に行動に出ている。日本は04年、パラオに
340万ドル（約3億2000万円）の道路補修資金を支援、台湾も同年からマーシャル諸島の遠洋漁船員らを台湾
国立大学で研修させている。欧州連合（EU）はフィジーの教育施設改善に 4400万ドル（約41億円）を支援、
パプアニューギニアにも船舶9隻を提供している。
農林水産食品部によると、昨年3億5500万ドル（約335億円）相当を加工・輸出したマグロ産業は、韓国の水産物
年間輸出額の35％を占めるとのことだ。
崔炯碩（チェ・ヒョンソク）記者
朝鮮日報 2010/04/06
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