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【日韓歴史研究】「共同研究は不毛」 共通認識形成にはほど遠く
2010.3.23 19:35
日韓両国の超えられない政治課題を民間に「丸投げ」の形で委託された日韓歴史共同研究は、そもそもの立ち上がりから
政治の手段だった。
このための埋めがたい溝は第2期研究でより明白になった。
政治的には「緩衝地帯」、学会間ではお互いを知る意味はあるものの、「歴史」の共通認識形成にはほど遠い現実が
浮き彫りとなった。
教科書小グループ新設は平成17年6月の小泉純一郎首相と盧武鉉大統領の首脳会談で決まった。
小泉氏の靖国神社参拝で冷却した日韓関係修復に向けた日本側の配慮の色彩が濃かった。
安倍晋三政権でスタートした第2期。安倍氏は韓国側の狙いは承知の上で、主力委員に「がんばって闘ってください」と
エールを送り、「健全な議論」に期待を表明していた。
しかし韓国側は、日本の歴史教科書を
「日本の近代史を帝国主義の侵略と戦争を擁護し正当化する立場」(金度亨延世大教授)とひとくくりにし、
採択率約0・4%の扶桑社「新しい歴史教科書」などを過半数以上の採択率の東京書籍の教科書と同等に扱い、
「右翼」「軍国主義」などの用語で攻撃した。
一部には『日本の教科書は戦争の拡大過程と占領地の事情についても記述している』(鄭在貞ソウル市立大教授)などと、
バランスをとろうとした韓国側委員もあったが、「従軍慰安婦」と「(女子)挺身隊」と混同したままの
『重大な欠陥を有した論文』もあり、大半の議論は平行線。
このため『2年半にもわたる「歴史共同研究」を行いながら…はっきりした点がある。
それは日韓の歴史教科書共同研究が不毛だったということである』(山室建徳帝京大准教授)と書いた委員もいたほどだ。
教科書小グループ幹事の古田博司筑波大教授は「韓国側のサンプリングは恣意(しい)的。当初から善玉・悪玉史観があり、
それに合わせて資料を張り付けた観が否めない。日本側は多くの資料からの帰納的研究を目指したが、議論は全く
かみ合わなかった」と総括した。
一方、植民地時代を含む19世紀中盤から現代までの近現代をあつかった第3分科会の日本側委員は
「今年は日韓併合100年。植民地時代は35年だが、日韓にはその後の65年、日々新たに積み重ねた歴史がある。
今研究では近代をトータルにみようと、共存の65年に文化や女性、人の動きといった違う視覚からのアプローチを試みた」
と述べる。
だが、このテーマ設定に加え、韓国側は近現代分科会でも日本の教科書記述を扱うべきだと主張するなど紛糾。
委員の一人は「文化的なテーマ設定に韓国側はことごとく反対し、議論は“格闘技”だった」と振り返った。(久保田るり子)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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