10/03/13 04:58:32
- ミサイル防衛、韓国に打診 米、参加協議働きかけ -
【ソウル=牧野愛博】米政府が韓国政府に対し、弾道ミサイル防衛(BMD)体制への参加
につながる地域BMD協議を打診していたことがわかった。慎重な韓国側に米国側は働きかけを
続ける構え。米韓同盟を重視する李明博(イ・ミョンバク)政権が、共同技術研究などの試験的な
参加に踏み出す可能性を指摘する声も、韓国内では出ている。将来、日米韓がBMDを共同運用
することになれば、日韓両国が新たな防衛関係の構築を迫られる。
韓国政府筋によると、米政府が地域BMD協議を打診したのは、昨年12月にワシントンで開かれた
米韓双方の外務・防衛局長級協議。今年秋に両国防相が参加する米韓定例安保協議(SCM)で扱う
議題の一つとして応じられるかどうかを打診した。長距離弾道ミサイルの迎撃ではなく、北朝鮮が
保有する短・中距離ミサイルからの防衛を想定しているという。
従来、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両元政権は北朝鮮や中国との関係悪化を懸念、
巨額の財政負担も心配して米BMD体制への参加に難色を示してきた。逆に李政権発足当時は、
ブッシュ前政権が北朝鮮に核問題で柔軟姿勢を見せ、BMDへの参加を求めなかった。
今回の打診は、オバマ政権としては初めて。米国側は理由として、昨年6月の米韓首脳会談で、
米国が提供する抑止力の強化で合意したことを挙げたという。
北朝鮮の核や中国の台頭を警戒する米国は2月に発表した報告書で、東アジアでのBMDを重視
すると表明。関係強化を目指す国として、日本のほか韓国と豪州を挙げた。日本だけを頼る現状から
脱却する狙いもあるとみられる。
韓国が米BMD体制に参加した場合、日本の防衛政策への影響は必至。米BMD体制を通じて
日韓が軍事情報を共有したり、連携して作戦を行ったりする事態が想定され、同盟関係のない両国間
で防衛関係の強化が必要になる。
日韓両国は昨年4月、自衛隊と韓国軍の定期交流の推進で合意した。ただし、艦隊の相互訪問や
海上救難訓練の共同実施などの初歩的な交流にとどまっている。
ソース : 朝日 2010年3月13日3時6分
URLリンク(www.asahi.com)
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