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毎日新聞の澤田克己記者は、「韓国料理はブームの段階を通り過ぎ、定着の段階にある。大衆性から見ると、
中国料理店とほぼ同じ水準になったと思う」と語った。「『今日は韓国料理店に行こうか』という友達が
次第に増えているし、忙しい時に韓国料理の弁当を注文することもよくある」と言う。
これと同様に、韓国語学習ブームも定着段階に入った。日本国内における韓国語学習の元祖は、中曽根康弘
元首相だ。中曽根氏は日本の首相としては戦後初めて、1983年に訪韓した際、大統領府の晩さん会で韓国語
であいさつした。そのうえ、80年から3年間、「学生時代に戻ったかのように一生懸命、韓国語を勉強した」
と述懐している。
現在の国会議員の中にも、韓国系の白真勲(はく・しんくん)参議院議員(民主党)は、ネーティブ並みの
韓国語を使いこなし、小林千代美衆議院議員(民主党)も基本的な意思疎通はできる。そのほかにも簡単な
あいさつ程度ならできるという人は多い。秘書の中で韓国語が話せる人も、90年代まではほとんどいなかっ
たが、今では10人以上いるという。2003年に大ヒットしたドラマ『冬のソナタ』の放映をきっかけに始まった
韓国語学習ブームは、今でも統計で確認できる。昨年11月に行われた韓国語検定試験の受験者は約1万900人
だった。04年は4000人台、06年は8000人台だったことからすると、確実に増え続けているということだ。93年
に同検定試験が始まって以来、1-5級までを18万7899人が受験しており、10万8857人が合格している。
文部科学省が推算する日本全国の韓国語学習者は約200万人。50人に一人が韓国語の勉強をしていることになる。
90年代までは、月に数千部しか売れなかったNHKハングル講座の教材は、今では20万部前後の売れ行きを記録
しており、民間の韓国語学校も東京都内だけで107カ所ある。
文科省によると、韓国語を第2外国語として採用している高校は99年に131校だったが、08年には426校と急増
した。今年4月には日本国内の韓国語講師のネットワーク「漢江ネット」という団体が結成され、韓国語で落語
を行う韓国系3世の落語家も現れた。このほか、職場や学校単位で韓国語を勉強する草の根活動的なグループ
は数え切れないほど多い。
韓流ブーム当時の爆発的な勢いはなくなったが、それでも底辺では今も根強い人気がある。テレビでは『善徳
女王』『宮廷女官チャングムの誓い』『花より男子~Boys Over Flowers』『朱蒙』『イ・サン』など、10本
以上の韓国ドラマが夜7時から10時台のゴールデンタイムに放送されている。そして韓流ブームの元祖、ペ・
ヨンジュンは昨年9月に、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビン、ソン・スンホンも先月17日に
東京ドームでイベントを行い、チケットが1万-2万円と高額なのにもかかわらず、双方とも約5万人のファン
が会場を埋め尽くした。
07年から韓国企業駐在員の妻たちと週1回、日本語と韓国語の勉強会を行っているハシモトリュウコさん(43)
は、「韓国や中国に行ったことがある日本人の中で、ほとんどが韓国のほうが楽しいと言っている。韓流
ブームが勢いを失ったのは事実だが、親近感がさらに深まっているという気はします」と言った。
東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員