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- 中国製の鉄鋼流入防ぎたいアジア各国 日本勢に余波 -
日本の鉄鋼大手が、輸出先のアジア各国で相次ぐ保護貿易主義的な動きに苦慮している。
高い関税を課す従来型の手法と異なり、「強制規格」と呼ばれる非関税障壁が特徴だ。
今のところ大きな影響は出ていないが、アジアは有望市場だけに、日本側は警戒を強めている。
日本鉄鋼連盟によると、強制規格はタイが１９９３年ごろ導入したが、厳格に運用されなかった。
ところが０８年以降、インドとインドネシア、マレーシア、フィリピンが続々と導入を決めた。
規格取得には、資料の提出や調査などに数カ月はかかるとされる。日本側は、その間の物流
の停滞や規格取得に伴うコスト増などを懸念。各国との交渉の結果、インドネシアとマレーシア
では主力品は対象外となった。しかしインドで今月、１年間の導入延期期間が切れるほか、新た
にベトナムで導入の動きが報道されているという。
強制規格導入の理由として、アジア各国は「消費者の保護」を挙げる。だが、日本の鉄鋼業界
では、中国製の輸入を少なくして、自国の鉄鋼産業を保護する狙いがあるとの見方が一般的だ。
とはいえ、中国製だけを締め出すことはできないため、日本製も対象に含まれてしまうという構図だ。
日本の鉄鋼業界は６０年代以降、米国との激しい貿易摩擦に直面。米国から反ダンピング税を
かけられたり、セーフガード（緊急輸入制限）を発動されたりした。鉄連の担当者は「今回は日本
が現地産業に損害を与えていないのに、巻き込まれてしまうのが強制規格の怖さだ」と話す。
アジアの動きが実際にどの程度影響するかは、各国の運用ぶりと、日本の輸出品が規格取得
の対象外と認められるかどうかがカギを握る。（益満雄一郎）
ソース ： 朝日 2010年2月12日19時52分
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