10/02/10 12:42:03
東京都内にある朝鮮大学校の元教員で、
2008年に在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を分析した本『朝鮮総連 その虚像と実像』を
日本で出版した朴斗鎮(パク・ドゥジン)コリア国際研究所長は、
「朝鮮総連は今や土壇場に追い込まれた。経済・教育・文化分野を中心にけん引する必要がある」と語った。
―朝鮮総連幹部はまだ北朝鮮の体制の優越性を信じているのか。
「いや、私的な集まりではほとんどが北朝鮮を批判している。
現職幹部の中にも、金正日(キム・ジョンイル)総書記のことをひどく言う人がいる」
―それなのに、なぜ朝鮮総連の活動が続くと見ているのか。
「『やってきたことがそれしかないから』とでも言うべきだろうか。
北朝鮮と朝鮮総連を否定すれば、自分の人生のすべてを否定することになるからだ。
だから、朝鮮総連の人々の心理状態はとても複雑だ。もう一つの理由は、組職から抜け出すのが難しいからだ。
日本での朝鮮総連のイメージは非常によくない。朝鮮総連で活動したことがあれば、どこにも受け入れてもらえない。
だから、そのように生きていくしかないケースもある。
また、家族を帰国船に乗せ、北朝鮮に送り返した人は非常に多い。
何よりもその家族のことが心に引っ掛かっているのだ」
―それでも、理念的に自己確信を持つ人が少しはいるのでは?
「いないと考えていいだろう。
口でだけは『将軍様、将軍様(金総書記に対する呼称)』と言っているが、
今のままでいいと思っている人は皆無と言っていい。
かつては、生活共同体のような、コミュニティーとしての役割が大きかった。
しかし、今はそれさえも影が薄れてきている。北朝鮮が最も恐れているのは、
朝鮮総連内の『独立派』が優勢になることだ。最近、若い活動家の中には、
『北朝鮮を支持するのはいいが、北朝鮮の指導を受けて活動するのは嫌だ。
独自にやっていこう』という考え方を持つ人が多い。
北朝鮮からの指示なら、何に対しても万歳と叫ぶやり方はダメだということだ」
―朝鮮総連系の人々の間で、韓国国籍を取得するケースが増えているのには何かきっかけがあったのか。
「1960年代はほとんどが朝鮮籍だった。80-90%はそうだった。
在日本大韓民国民団(民団)は当時、大した存在ではなかった。
当時、民団に入っていた人々は愚か者扱いされた。これが70年代に入り逆転され始めた。
35万人対25万人といったところだ。90年代の社会主義崩壊で最初の衝撃を受け、
2002年に北朝鮮自ら日本人拉致を認めたことが決定打になった。
韓国は高度成長を遂げ、軍事独裁国家でもなくなった」
―今後の韓国政府の役割は何か。
「政治的なアプローチはダメだ。経済や教育文化分野に力を尽くすほうがいい。
例えば、大学の分校を設置することなどだ」
朴斗鎮氏は1941年大阪市生まれの在日コリアン2世。
朝鮮大学校を卒業後、朝鮮総連系シンクタンク「朝鮮問題研究所」研究員や朝鮮大学校教員を務めた。
朴氏が執筆した『朝鮮総連 その虚像と実像』は朝鮮総連に関する最高の著書と評価されている。
(東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員)
ソース:朝鮮日報
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