10/02/09 11:08:58
【瀋陽=大木聖馬】北朝鮮が昨年11月末のデノミネーション(通貨単位の切り下げ)で導入した新通貨の
実勢為替レートが1月以降、急落し、中国・人民元に対してデノミ実施直後の約10分の1まで価値が下がった
ことが8日、明らかになった。中朝関係筋が明らかにした。
同筋によると、デノミ実施直後の昨年12月前半は1元=約5ウォンで、12月下旬には1元=6・5ウォン
水準で推移していた。ところが、1月中旬から急速なウォン安が進み、同月20日に1元=30ウォン、25日
は50ウォンとなり、今月8日現在、1元=約55ウォンで取引されている。デノミ実施から2か月で、通貨
価値が10分の1に下がった形だ。
中国・新華社通信系の国際問題専門紙「国際先駆導報」は、朝鮮貿易銀行が1月1日に1元=14・19
ウォンのレートを公布したと報じた。その後、公式レートの変更に関する情報はなく、経済の実態と大きな
開きが出ている模様だ。
北朝鮮ウォンは、外貨との交換が制限されており、北朝鮮の銀行や外国人向け商店で取引に用いられたレート
が目安となる。ウォン安の背景として中朝貿易業者は、デノミ後の物価高騰など経済混乱で貿易が激減、北
朝鮮の輸入業者の間に売り控えの動きが広がり、物価高、実質レートの下落に拍車がかかる展開になってい
ると言う。
中朝関係筋は、北朝鮮当局が1月末から、業者の売り控えの摘発に着手したことを明らかにした上で、
「品不足、物価高騰が続けば、ウォン安がさらに進む可能性もある」との見方を示した。
読売新聞 2010/02/09
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