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しかし、来年からは話が変わってきそうだ。ソウル市は現在、保健福祉部と衛生等級評価制度の法制化に
向けて協議を行っている。正式に法律として制定されれば、すべての飲食店にこの評価制度が適用され、
結果の公開も義務付けられる。店の入り口にA、B、Cのどの等級かを掲示しなければならないということだ。
何も掲示されていなければ、その店は等級外であることを意味する。一度Cあるいは等級外の評価を受ければ、
罪人の額に印でも押すかのように、その飲食店にはいわゆる烙印が刻まれることになる。国家人権委員会は
昨年10月、「学校の制服に名札を固定して付着させる行為は、人権侵害に該当する」という判断を下したが、
衛生等級評価結果の掲示が義務付けられれば、これと同じようなケースに該当するという主張もある。
だとすれば、この衛生等級評価制度は導入すべきではないのだろうか。客の立場からすれば、当然必要な
制度だ。飲食店の厨房や従業員の衛生状態など、客の立場からは知りようがない。そのため、この評価制度
は非常に有効なものといえるだろう。
評価では厨房施設や食材管理、テーブルやトイレの衛生状態、従業員に対する衛生管理など、その店の全体的
な衛生状態について、40のチェック項目が決められており、その結果を誰もが一目で見られるようになる。
全国で初めてソウル市が導入を目指すこの衛生等級評価制度のモデルとなったのは、米国ロサンゼルス市だ。
ロサンゼルス市はA、B、Cなどの評価結果を、飲食店の入り口から1.5メートル以内に掲示するよう義務付け
ている。食品の温度、従業員の衛生管理など、70以上の項目に独自の加重点を加えた上で、100点満点で評価
するようになっている。
ロサンゼルス市がこの制度を導入した初年度の1998年には、A等級となった飲食店は全体の57.5%だったが、
2007年にはこれが83.5%にまで増えた。ソウル市はこの事例を紹介しながら、韓国でも同じような効果が期待
できるとして、制度の必要性を強調している。
米国での研究結果でも、ロサンゼルス市でこの制度が導入された後、食中毒など飲食店における事故が1年目
から18%減少したという。長い目で見れば、飲食店全体の衛生水準を大きく引き上げる効果があるのは間違い
ないということだ。
郭守根(クァク・スグン)記者