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- 「マッコリ」ブームの光と影 -
2009年のヒット商品第1位と評されたマッコリ(発音はマッコルリに近い。ルは巻き舌)。年が明けても
テレビや新聞では連日のようにその話題が取り上げられ、李明博大統領は「マッコリ国際広報大使」などと
呼ばれています。スーパーで買うと1本100円ほどで、大衆酒の代表選手だったのに、急にフォーマルウェア
を着せられ、マッコリ自身もさぞ当惑しているのではないでしょうか。私が『マッコルリの旅』という本の取材で
全国を回っていた4年前も、「マッコリの本を書くって? 物好きだねえ」と、あちこちで言われましたが、
今では「先見の明がある」などど言われ、くすぐったい気がします。
マッコリ消費量が急上昇し、ソウルの大手酒造会社は工場を増設して意気盛んですが、地方の醸造場は
どんな様子でしょうか? 何カ所かに電話して聞いてみましたが、「特別いいともいえないよ。ソウルや釜山の
醸造場は景気いいらしいけど」(全羅南道の醸造場)、「こんな時代だから、食べていけるだけで満足しないとね」
(忠清南道の醸造場)と、目立った変化はなさそうです。
最近は、焼酎や韓方酒しか作っていなかった大手酒造会社まで、マッコリ生産に乗り出しています。2001年
にマッコリ販売の地域制限が解かれると、大手のマッコリは流通範囲を確実に広げてきました。自由競争です
から品質向上などのプラス面もありましたが、その陰では昔から地道にマッコリを醸してきた中小醸造場が
ためいきをついているのです。地方のマッコリは観光資源にもなるので、政府や自治体の関心と支援を求め
たいところですね。
では、土地土地のマッコリを味わうことができ、素朴で安価なつまみと情のある酒母(女将)がいるデポチプ
(マッコリ大衆酒場)の様子はどうでしょうか?
「テレビで酒場巡礼が放送されたりするせいか、たまに若い人が来たりするけど、たいして変わりないさ。
相変わらずひまな年寄りが集まっているよ。ワッハッハッハ」(全羅北道のデポチプ主人)
“マッコリ・ルネッサンス”とまで呼ばれるこの熱風ですが、地方にまでその熱は届いていないようです。
デポチプといえば、1本300円程度のマッコリを頼むだけでキムチやナムルなど無料のつまみが3~4品も
出るところが魅力ですが、ブームに乗じた極端な値上げなどがないことを祈るばかりです。
デポチプは酒母や常連客の高齢化によって風前のともしびといわれています。このブームが、韓国の庶民
文化を象徴する「人情酒場」の延命につながるといいですね。
(*画像)
ソウルではワインバーからマッコリバーに商売替えする例も。アルコール度数が6度で、自然発泡の清涼感と
甘味があるので女性に人気
URLリンク(www.asahicom.jp)
当コラムで5年前に紹介したデポチプ「モンリテク」(全羅南道康津市)。最近、市場の再開発で店終いしてしまった
(左が酒母、右が筆者)
URLリンク(www.asahicom.jp)
手作りマッコリが飲める店、江原道束草市の「番地のない酒幕」は今も健在。主人の電話の声は元気いっぱいだった
URLリンク(www.asahicom.jp)
筆者が全国の大衆酒場と醸造場を取材して書いた『マッコルリの旅』(東洋経済新報社)。ブームのおかげで
韓国語版発行の運びに
URLリンク(www.asahicom.jp)
筆者 鄭銀淑
ソース : 朝日 2010年1月29日
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