10/01/24 14:57:11
イギリスで韓国戦争の記録をまとめたアンドリュー・サーモンさん
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アンドリュー・サーモンさんは「かつて、軍人になりたいと真剣に考えたほど、戦争史に大きな関心を持って
いた。“忘れられた戦争”と思われがちな韓国戦争(朝鮮戦争)は、実際には驚くほど劇的な戦争だった。
それにもかかわらず、事実をきちんと伝える本がほとんどなかったということが、本を書こうと思い立った
動機だ」と話した。/写真=李鎮漢(イ・ジンハン)記者
1950年11月、イギリス軍第29歩兵師団の第29旅団が釜山に到着した。冷たい風が吹く中、兵士たちは血気
盛んだった。国連軍は平壌を奪還し、鴨緑江に向かって破竹の勢いで北進していた。兵士たちは冗談半分で、
「戦線に到着する前に戦争が終わったらどうするか」などと話していた。だが、それは杞憂(きゆう)に
終わった。一生忘れることのない、3年間にも及ぶ壮絶な戦いが彼らを待ち受けていた。
イギリスのケント大とロンドン大を卒業後、12年間ソウルに滞在している、英紙タイムズのソウル特派員
アンドリュー・サーモンさんが、韓国戦争(朝鮮戦争)についての記録をまとめた著書『最後の1発(To the
Last Round)』(時代精神社刊)を出版した。丸2年にわたる取材と調査を経て、昨年に英語版を出版した
のに続き、今回韓国語版を発行した。
この本のクライマックスは、1951年4月22日から3日間続いた臨津江の戦いだ。50年12月、中国軍が参戦した
ことで、鴨緑江の近くまで迫っていた国連軍は臨津江まで退却した。イギリス軍の第29旅団は、国連軍の
後方支援を担当し、臨津江で中国軍と戦った。できるだけ長く敵を同じ場所にとどめ、退却の時間を稼ぐと
いうのが同旅団の任務だった。
サーモンさんは「臨津江の戦いは、イギリス軍が第2次大戦以降に経験した最も血生臭い戦闘だった。この
6年間にアフガニスタンで戦死した兵士の数よりも、臨津江でのわずか3日間の戦いで戦死した兵士の方が多い」
と語った。
サーモンさんはロンドンの「大英帝国戦争博物館」をはじめ、イギリス各地にある戦争関連の博物館の書庫
を探し回りながら、生き残った元兵士たちを訪ね、イギリスと韓国をたびたび行き来した。このため、説明
がとても詳しく、読みやすい内容になっている。イギリス軍の兵士たちが、明日死ぬかもしれないという
状況の中で戦争孤児たちを保護し、軍服を小さくして着せる場面や、臨津江の南側に退却したイギリス軍が
再び戦場へ戻り、戦死した仲間たちの遺体を収容する場面、北朝鮮軍の捕虜収容所で虐待に耐え抜く場面な
どは胸を打つものがある。
サーモンさんは「韓国戦争は、国連が経験した初めての戦争であり、冷戦の時代にぼっ発した初めての戦争
だった。また、米国と中国が直接交戦した唯一の戦争としても大きな意味があるが、これまでは十分にスポ
ットが当てられてこなかった」と話した。なお、今年は韓国戦争ぼっ発から60年を迎える。
「韓国の若者たちは、“大人たちがいつも韓国戦争の話をするため、もう聞き飽きた”と言うが、それは
短絡的な考えだ。韓国戦争が起こっていなければ、韓国は単なるアジアの新興国の一つにすぎなかった。
韓国戦争を忘れることなく、豊かになった現在と対比して初めて、韓国は不死鳥のような歴史を世界に誇れ
るようになる」
金秀恵(キム・スヘ)記者
朝鮮日報 2010/01/24
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