10/01/12 05:41:05
- 潮州・通り魔に右腕を切り落とされた19歳の女性と救急車 -
潮州で彼氏のバイクの後ろに乗っていた19歳の女性が、街灯のない十字路でバイクに乗った
十数名の男たちに襲われた。すれ違いざまに右腕を切り落とされたが、救急車はすぐには女性
を手術ができる大病院に運ばなかった。その理由と事件のその後を地元紙が伝えている。
12月7日午後11時ころ、汕頭市の秋菊は彼氏の蔡暁のバイクの後ろに乗って蔡の家へ向かっ
ていたところ、10数台のバイクが止まっている十字路に差し掛かった。バイクは皆こちらに向かっ
てライトをつけ、真っ白のライトの向こうはまぶしくてよく見えない。そこを通過する時に、暗闇から
他に数人が飛び出してきたが、よくわからなかった。
10メートルほど走った頃、秋菊は自分の右太ももの上に血が付いているのに気がついた。もう
一度よく見ると、自分の右腕がなかった。
「私はなぜか自分の右腕が無くなったことに気がつかなかった。でも見て、びっくりして大声を
上げたの」
秋菊の叫び声でバイクを止めた蔡暁は、右腕のない彼女を見て驚き、急いで元の道を戻ると、
先ほどの十字路のあたりに秋菊の右腕が落ちていた。とにかく右腕を拾って戻ると、すでに通り
かかりの親切な人が彼女を介抱しながら救急車を呼んでくれていた。その人は急げば腕がつな
がるかも知れないと言った。
30分ほどで救急車は到着し、秋菊は潮州医院に運ばれた。しかし潮州医院では腕をつなげる
大手術はできないので汕頭市中央病院に転院することになった。
ところが救急車の運転手が夜食を食べに出かけてしまい一刻を争う中、秋菊はしばらく待つこと
になった。20分ほど経ってから運転手が戻ってきて「カネはあるか」と言った。
秋菊と蔡暁の家族は急いで駆け付けたためお金を持ってこなかった。すると運転手はカネを払わ
なければ運べないと言い、救急車の扉を閉めたままだ。
蔡暁は急いでお金を貸してくれる友達を探した。友人の一人が600元もって来てくれた。しかし
運転手はそれでは足りないと言う。すでに転院を決めてから1時間以上たっている。焦っていると、
派出所の警官が到着し、運転手と話をしてくれた。ようやく秋菊を乗せた救急車が汕頭市中央病院
へ向かって動き出した。
翌午前2時ころ到着した汕頭市中央病院では残念ながら秋菊の右腕はもうつながらなかった。
切断されてから4時間以上が経過してしまったためだ。救急車がもっと早く動いてくれていれば
つながる可能性はあったという。
1月10日、傷口が癒えた秋菊が退院した。事件後、蔡暁は常に彼女に付き添い、秋菊の家族も
友人たちも彼女を励まし続けた。そして秋菊に笑顔が戻った。
そして秋菊と蔡暁はすぐに結婚することになった。
後でわかったことだが、600元では動かなかった救急車の運転手に対して、警官がさらに400元
渡していた。秋菊の家族はその警官を探しているが派出所に行っても誰かわからないという。また
事件発生現場では40センチの刀が落ちていたが犯人はわかっていない。
お金がないと救急車に乗れないというのは中国では常識だ。現場まで来たのに、金がないと分かり
怪我人や病人を乗せずに戻ってしまうことも珍しくない。
ソース : エクスプロア 〔2010年01月11日掲載〕
URLリンク(www2.explore.ne.jp)