10/01/10 12:05:26
―島社長が初芝電産に入社したのは大阪万博が開かれた1970年。日本が「世界2位の経済大国」
になった2年後ですね。
「懐かしい時代ですね。初任給は4万1千円、2年目が8万円、3年目は11万2500円。日本の経済
規模だけでなく、社員の給料も右肩上がりでぐんぐん上がっていきました。『日本は日が沈まない
国』なんて意識もあった。中国も今、そんな気分があるのではないのでしょうか」
―日本はまもなく中国にGDP(国内総生産)で抜かれて世界3位になります。
「経済力がアジアで突出したナンバー1だった時期が長かっただけに、日本人はアジアに対して
『上から目線』になりがちです。そんな意識は早く捨て去るべきです。人口が10倍もいる中国に経
済規模で勝つなんて無理でしょう。巨大な市場をめがけて世界が投資するから潤沢にお金もあり
ます。一緒に繁栄しようと頭を切り替えていかなきゃならない」
―世論調査をみると、中国に親しみを感じない日本人が過半数です。気持ちの切り替えは難しい
かも。
「ビジネスなら中国の発展に便乗しない手はありません。感情に行き違いがあっても、価値観が
異なっても、パートナーとして実利的にうまくやっていく方法を探す。外交でいえば、何の問題もな
く両手で握手している国は少ない。むしろ片手で握手、片手でケンカするぐらいが普通です。日中
の経済的な結びつきは、強く握りあう片方の手の役割を担っています」
>>2に続く