10/01/07 13:33:10
2008年夏にLG電子は中南米最大の市場であるブラジルで携帯電話端末「ミュージックフォン」を発売した。
音楽鑑賞を好むブラジル人の国民性を考えた市場戦略だった。ブラジルでは当初、LG電子の携帯電話端末は、
ノキア、モトローラなどに押され、市場シェアは10%台に低迷していた。ミュージックフォン発売から1年が
たった昨年7月、LG電子のシェアは25.4%まで上昇し、モトローラを抜き、ノキア(28.9%)に次ぐ2位に浮上した。
世界的な経済危機を経て、韓国のIT(情報技術)製品や電子製品の世界市場での競争力が急速に強まっている。
全世界の携帯電話端末市場で、韓国は昨年4-6月期に30.1%のシェアを記録して以降、最近は31.6%まで
シェアを拡大した。LG電子のイ・ヨプ北米マーケティング担当部長は、「海外市場で絶えず新モデルを投入
する企業は韓国勢だけだ」と語った。
半導体も同様だ。昨年7-9月期に韓国のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)市場
シェアは56.9%に達した。08年1-3月期に48.2%だったシェアは、経済危機のさなかに8.7ポイントも上昇し
たことになる。昨年ヒューレット・パッカード(HP)やデルなどパソコン大手が高性能パソコンを発売し、
サムスン電子とハイニックス半導体から大口で半導体を調達したためだ。高性能パソコンに見合う高性能の
半導体を安定供給できるのは事実上、韓国企業しかない。サムスン電子の器興半導体工場(京畿道)は連日
24時間のフル稼働状態だが、発注に対応し切れないほどだ。サムスン電子関係者は「韓国企業が経済危機の
最中にも設備投資を継続し、半導体の量産能力を向上させた効果が表れた」と指摘した。
台湾と競合してきた液晶パネル市場の覇権も韓国が握った。07年初めに40.2%だった韓国の液晶パネルシェア
(数量ベース)は、08年末に49.2%を記録し、台湾(38.4%)に10ポイント以上の差を付けた。韓国メー
カーのシェアは最近48.0%で推移しており、市場の半分に迫っている。産業研究院のソ・ドンヒョク研究委員
は「40型以上の大型平面テレビ向けの第8世代液晶パネルを生産するメーカーは、昨年半ばまではサムスン、
LG、シャープだけだった。韓国は06年から果敢な投資を行ったが、台湾などのライバル企業は最近になって
投資を開始した」と指摘した。
韓国のIT企業による世界シェア拡大は今年も続く見通しだ。昨年の収益を基に、今年も思い切った投資を
計画しているためだ。
半導体分野では、サムスン電子とハイニックス半導体が今年は計7兆8000億ウォン(約6360億円)前後の投資
を行う計画だ。市場関係者によると、投資が計画通りに進めば、今年の韓国の半導体シェアは60%台半ばま
で上昇する可能性がある。液晶パネル分野では、サムスン電子が3兆ウォン(約2450億円)以上、LGディスプ
レーが3兆5000億ウォン(約2860億円)など、合計で6兆5000億ウォン(約5300億円)前後の投資が見込まれ
ている。
しかし、市場シェア拡大が必ずしも増益につながらないとの懸念も存在する。大信証券のパク・ガンホIT
チーム長は、「外国のライバル企業が本格的な投資を行わない状況では、市場シェアは当面拡大が見込まれる。
しかし、今年は為替効果が薄れ、収益は昨年よりも減少する可能性が高い」と分析した。
李性勲(イ・ソンフン)記者
朝鮮日報 2010/01/07
URLリンク(www.chosunonline.com)
URLリンク(www.chosunonline.com)