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【湯浅博の世界読解】鳩山首相は誰に似ているか? オバマにも盧武鉉にも失礼だ
2010.1.6 07:48
鳩山由紀夫首相はいったい誰に似ているか-。
普天間飛行場の移設問題に端を発した鳩山外交の迷走で、米国の論壇は鳩山政権の政治信条や思想を探ろうとしているかのようだ。
ひところは、韓国の盧武鉉前大統領との比較がなされたが、こちらは大幅に後退したようだ。
確かに、盧氏は大統領に就任後、大衆迎合型の反米左派色を徐々に強めた。
危機感を抱いた米国は、在韓米軍の再編などを通じ、米韓同盟の機能不全に備えて戦略や部隊配置を微妙にシフトさせた。
しかし、それは「盧氏に失礼だ」ということに落ち着いたようだ。
盧氏は口では「反米」を掲げながら、実際には米韓同盟に基づいて、3000人の部隊をイラクに派兵している。
米韓安全保障協議を着実に実施したし、米韓自由貿易協定にも熱心だった。なぜなら、それが「国益」だから。
鳩山外交はこれとはまったく逆で、口では「緊密で対等な日米同盟」を言いながら、実態は日米軽視であろう。
普天間飛行場の移設問題でひと悶着(もんちゃく)を起こし、間もなくインド洋に派遣した海上自衛隊の給油艦を撤退させる。
なぜなら、それが選挙向けの「党益」だから。
鳩山内閣は、日米合意という国家間の約束より、連立維持の党益の方を優先しているらしい。
最近になると、鳩山氏は案外、オバマ大統領に似ているのではないか、との議論も出てきた。
結論からいうと、こちらも「オバマ氏に失礼だ」というところに落ち着きつつある。
選挙中の鳩山、オバマ両氏とも、政権奪取を目指して架空の小切手を乱発した。
しかし、ウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿した調査分析会社のブレマー代表と
ニューヨーク大学のルービニ教授によると、「オバマ氏は妥協する意思と柔軟性を示したが、鳩山氏はそうではない」と疑問を投げかける。
鳩山首相が政策を実行する際は、チェック機能が働かないとみている。
オバマ大統領には敵対的な野党の共和党があり、厳しい有権者がおり、与党にさえ懐疑的な党内穏健派がいる。
しかも、米国のビジネス界は日本の財界と違い、与党になった民主党の小沢一郎幹事長だけになびくようなことはしない。
民主、共和両党に働きかけて双方を牽制(けんせい)するそうだ。
そこで、両氏は、オバマ氏が民主党左派を裏切ったように、鳩山氏が連立している社民党を失望させる現実主義に
なることを勧めている。
論文の「なぜ日本は“鳩バマ”が必要か」との見出しは、少しはオバマを見習えと言いたいらしい。
なぜなら、それが両国の「国益」だから。
こうした論評が彼ら識者だけでなく、広く米国市民に共有されつつあるだけ、ことはより深刻なのだ。
ブレマー氏の分析会社が4日発表した「今年の10大リスク」のトップが米中関係であるのは当然として、
何と5番目に同盟国の「日本」が入っている。
ブレマー氏らは鳩山政権の普天間移設問題に加え、「脆弱(ぜいじゃく)な政権の1つになりそうだが、
今回は官僚の支援がなく、深刻な経済状況も伴う」と悲観的だ。
国益は、国民にとって最良の価値や利益であって、責任の行使でもある。
国益を追求せずして、鳩山政権の好きな地球益などは、まずありません。(東京特派員)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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