10/01/03 09:40:02 BE:711869437-PLT(14031)
記事入力 : 2010/01/03 08:55:15
在日朝鮮人帰国者の転落と脱北者家族の浮上
1959年の帰国事業で北朝鮮に渡り、2003年に脱出した後、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を相手取り、
法廷闘争を続けている高政美(コ・ジョンミ)さんは、
「当時の在日朝鮮人帰国事業は、北朝鮮と朝鮮総連にだまされて同胞9万人が北朝鮮に連れて行かれた誘拐事件だ」と語った
(本紙2009年12月14日付既報)。
日本政府独自の対北制裁が長期化する中、いわゆる「富士山族」と呼ばれ、日本の親類からの送金によって富裕層として
暮らしてきた北朝鮮内の在日朝鮮人帰国者が、生活苦にあえぎ、最大の危機を迎えている。
1954年12月14日から始まり、これまで9万3000人に及んだ在日朝鮮人帰国者は、80年代半ばの日本経済の繁栄、
在日朝鮮人の大々的な故国訪問のおかげで、労働党の中核幹部に劣らない裕福な生活をしてきた。
財政的な力となる帰国者らは、北朝鮮の権力集団とも癒着し、政治・経済・権力の一派として活動してきた。
しかし、日本政府の対北制裁は、北朝鮮内の帰国者の立場を完全に突き崩している。
日本政府は現在、北朝鮮船舶の入港を全面的に禁止している。39号室(金正日〈キム・ジョンイル〉総書記関連の
外貨獲得機関)にとって最大のドル箱だった日本向け北朝鮮産海産物の輸出もここ数年禁止されており、金総書記の
私的財産も莫大(ばくだい)な打撃を受けている。
日本の対北制裁は、最初は象徴的な意味で受け止められていたが、実際の状況はそうではない。
最近北朝鮮を脱出した元在日朝鮮人帰国者は、「平壌や清津などで裕福な暮らしをしていた帰国者は、
今や誰もが生活苦にあえいでいる」と語った。
彼らが生活苦に直面したのは、90年代半ば以降、配給制が中断してからだ。
一般住民は市場と家庭菜園を通じて生存競争を繰り広げたが、帰国者らは日本の親類からの送金だけに頼り、
市場に適応する機会を逃した。
帰国者に劣らず深刻なのは、対日輸出を主導した労働党39号室をはじめとする北朝鮮の外貨獲得機関だ。
これらの機関は、日本の中古車や中古自転車、衣類などを大量に輸入し、莫大な外貨を稼いだ。
ある消息筋によると、金総書記は昨年半ばから、北朝鮮ですべての日本車の締め出しを命令したという。
日本との関係改善を待ちわびる帰国者と外貨獲得機関にとっては、青天のへきれきのような命令だ。
日本の対北制裁によって、外部から支援を受ける唯一の階層として残った越南者(朝鮮戦争時に韓国に渡ってきた人)・
脱北者の家族が、最近新たな富裕層として浮上している。
韓国に親類さえいれば後払いが可能になるほど、韓国に親類がいる家族に対する視線が変わりつつある。
ある脱北者は、「地方保衛員が脱北者家族5世帯を管理すれば、一生暮らせる金を稼げるという話まである」と語った。
一時は北朝鮮の最下層民へと転落し、さまざまな冷遇を受けてきた越南・脱北者の家族が、在日朝鮮人帰国者に代わって
新たな富裕層として浮上するという皮肉な状況が今、北朝鮮では展開されている。
姜哲煥(カン・チョルファン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
URLリンク(www.chosunonline.com)