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世界の工場には不適格
注意深い消費者は恐らく、欧米市場で販売されている中国製品のラベルの「Made in China」
という文字の前に「designed by XX」(××のデザイン)と表示されていることに気づい
ているだろう。このほんの数文字によって、消費者は中国製品の質に不信感を持っている
ということ、そして中国の製造業が依然として国際産業チェーンの中で低い位置にあると
いうことがわかる。
創造力が求められる製品の設計や研究開発において、中国企業の影は薄い。「中国製」とは
量的な優勢に過ぎない、と中国大陸のメディアが指摘している。
英カーディフ大学のパット・ハドソン教授は、著書『世界の工場』で、19世紀の英国製造業
に言及し、世界工場は、量的に優位であるだけでなく、国際市場において相当の市場収益
を占め、同時に「質」に対する要求もクリアする必要があるとしている。すなわち、世界
工場は、先端技術と創造性の両方を兼ね備えることが求められる。
同著は、中国製造業が避けることのできない問題として、コア技術の立ち遅れ、技術集約型
製品の欠如、ならびに世界水準に達する中国企業の欠如を挙げており、人民元の切り上げや
大口商品価格の上昇、労働力コストの上昇に直面し、低コストに頼る中国製造業は持続不
可能だと指摘している。
加熱する貿易摩擦
靴、タイヤ、鋼材などの中国製品の対欧米輸出は、世界金融危機以来、紛糾が絶えない。
米国通商代表部の11月22日の発表によると、中国は09年に各種産業政策を通じて、非中国
製品と外資系サービス・プロバイダーが中国に入ることを制限した。
11月末、米商務省は中国製油井管と付属品が不正な補助金を受けているとして、関連製品
に対し、反補助金制裁措置として、前年実績を対象とする約27億ドルの懲罰的関税を発動
した。米国の中国に対するこれまでで最大の貿易制裁措置である。
これより前には、米国際貿易委員会は中国製シームレス鋼管に対し、輸出制限を発動。
また、中国から輸入した銅板紙(アート紙)などにも反ダンピング関税と反補助金関税を
決定している。
これに対し、中国は来年、貿易摩擦対応の戦略を積極的に制定・実施し、政治交渉、法的
抗弁、WTOの紛争解決システムなどの手段を用いて、貿易摩擦への対応能力を強化すると、
中国政府高官が伝えている。
しかし、単純に外交に頼る交渉では、表面上の問題を解決することしかできない。中国の
製造業の構造的問題を根本的に解決しなければ、全ては水泡に帰すと専門家は指摘する。
(翻訳編集・坂本)