09/12/31 12:56:35
【コラム】「経済韓日戦」勝負はこれからだ(上)
「サムスンの日本への脅威論は確かに過大評価だ。少なくとも技術的な面では全く心配いらない」
「このままでは日本の電子産業は5年以内に存亡の危機に直面するだろう。サムスン電子は新たな
付加価置を生み出し続けているが、日本企業はそうではない」
1994年から2003年までサムスン電子の常務を務めた日本人、吉川良三氏の言葉だ。最初の発言は
2004年の日本の時事週刊誌「アエラ」、2番目の発言は先月発行された「日経ビジネス」とのインタビュー
でのものだ。サムスンの日本への脅威論に対する評価が5年間ですっかり変わっている。
サムスン電子は今年7-9月期に4兆2300億ウォン(約3308億円)の営業利益を上げた。ソニー、
パナソニック、日立製作所など日本の主な電子企業9社の営業利益合計より2倍以上多い。日本から
「サムスン独走」という嘆きが聞こえてくるのもうなずける。
サムスン電子だけではない。今後数年以内に半導体市場の規模をしのぐと予想されている2次電池
市場で、サムスンSDIとLG化学は日本企業の「すき」に入り込み、世界市場でシェア2位と5位に浮上
した。特に、電気自動車に搭載される大型バッテリー市場では、この韓国企業2社の方がリードしている
と評価されている。
液晶表示装置(LCD)と発光ダイオード(LED)テレビ市場では、サムスン電子とLG電子がソニー、
パナソニック、シャープなどを圧倒している。LCDの中核となる偏光板市場では、LG化学が日東電工や
住友化学を追い抜き、今年初めて世界市場1位に立った。ポスコは、これまで新日本製鉄製品のみに
こだわってきたトヨタに自動車用鋼板の納品を開始。現代・起亜自動車は今年の営業利益が3兆
ウォン(約2347億円)で、自動車業界世界一になるという。
国内企業のこうした躍進を受け、韓国は今年1月から11月までに貿易黒字377億ドル(約3兆4556億円)
を上げ、日本の240億ドル(約2兆2000億円)を大きく上回った。韓国の年間貿易黒字額が日本を
上回るのも、今年が初めてだ。「日本に追い付け」という韓国経済の長年の夢が実現しつつあるかの
ように見える。おとといにはアラブ首長国連邦(UAE)から、韓国型原子力発電所が初めて輸出契約に
成功したという朗報が飛び込んできた。今年は、韓国経済史上初・最高という記録を数多く出した年
として後世に残るだろう。
だが、韓国経済や企業が今年1年間、健闘したのには、実力以外の要因も働いていた。第一に、
ウォン安円高による為替効果が大きかった。日本企業が先進国の高価格製品市場に力を入れている
間、韓国企業は早くから新興国市場に参入し、基盤を築いてきたのが功を奏した。世界的な金融
危機で先進国市場が大幅に縮小し、中国・インド・ブラジルといった新興国市場の比重が高くなった
おかげだ。
2010年には状況が一変する。ウォン高傾向が続いており、これ以上の為替効果は期待できない。
さらに今年、日本企業は構造改革を行い、来年から本格的に新興市場国の中産層を中心とする
「ボリュームゾーン」攻略に乗り出すものとみられる。主力産業がほぼ重なる韓国と日本が、その実力を
本格的に競うことになるのだ。部品素材産業の育成や源泉技術の確保、ブランドイメージなどではまだ
力が足りない韓国としては、非常に厳しい闘いになるだろう。しかし、日本との真っ向勝負を先送りし、
あるいは避けて通ることはできなさそうだ。
これまでの「経済韓日戦」は予告編にすぎなかった。本当の勝負はこれからだ。ここで負ければ一巻の
終わりという背水の陣を敷き、新年を迎えなければならない。
URLリンク(www.chosunonline.com)
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