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【群馬】
『在日』との二重差別も 元ハンセン病入所者証言集
2009年12月21日
講演会の終了後、学生から花束を受け取る谺雄二さん(左)=高崎市の高崎健康福祉大で
草津町の国立ハンセン病療養所「栗生(くりう)楽泉園」の回復者らから、聞き取った内容をまとめた「入所者証言集」が
この夏に完成した。証言集の制作を熱望してきた回復者の谺(こだま)雄二さん(77)も編著者に名を連ねている。
高崎健康福祉大(高崎市)の学生たちがテープ起こしに協力。谺さんは十一月に開かれた同大学園祭に講演会の講師として
招かれ、学生たちは展示で証言集の研究成果を発表するなど、証言集を縁に交流も深まった。
証言集は回復者五十人の声が三分冊、計約千四百ページにわたってつづられた大作。
関連記事を三回書いたが、紹介し切れていない。
中でも伝えておきたいのは、ハンセン病、在日朝鮮人という「二重の差別」を受けた回復者の告白だ。
大阪生まれで八十代前半の金奉玉さん。発病前の小学時代から殴られるなどいじめを受けた。
発病後は、金さんが食べる食器が棒で目の前に押し出されるなど陰惨になった。
楽泉園へ入所する際も、日本人とは大きく違った。罪を犯したわけではないのに、警察官に連行され、手錠まで掛けられたのだ。
その上、大阪から草津町まで三十数時間は飲まず食わずで、トイレも制限された。
乗客たちの視線を浴びた金さんは「(列車が)走ってる時、鉄橋から飛び降りれば死ねるだろうなって、何回思ったかね」
と振り返っている。
高崎健康福祉大での講演会を前に、谺さんは「自分の(差別を受けた)歴史を話し、若い人たちには人生に生かしてほしい」
と人権の大切さを語り伝える意義を強調した。証言集を読むと、回復者たちの言葉から、谺さんと同じ思いが響いてくる。
(菅原洋)
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