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記事入力 : 2009/12/18 11:45:03
通貨オプション損失裁判、ノーベル賞学者が出廷(上)
通貨オプション商品による損失をめぐる輸出企業と銀行の裁判に、ノーベル経済学賞を受賞した海外の専門家が出廷した。
ソウル中央地裁で17日に行われた審理には、米ニューヨーク大スターン・ビジネススクールで経営学を教える
ノーベル経済学賞学者のロバート・エングル教授(67)が出廷し、原告のD社の証人として、
「問題の通貨オプション商品は、銀行が企業に比べはるかに高い利得を得る構造の不公正な商品だ」と証言した。
これに対し、被告のウリ銀行と外換銀行は「エングル教授の主張は論理的矛盾がある」と反発し、
法廷では激しい攻防が展開された。
問題となったのは通称KIKO(キコ)と呼ばれる通貨オプション商品で、為替レートが契約範囲内で推移すれば、
企業に有利な条件で外貨を売却できる仕組みだ。
しかし、為替が契約範囲を外れると、企業は多額の損失を負うことになる。
最近は昨年のウォン安進行で数兆ウォン(数千億円)の損失を出した輸出企業が、銀行を提訴する例が増えている。
エングル教授の証言は、調書にまとめられ、合計140件、総額1兆ウォン(約775億円)規模に及ぶKIKO関連裁判に提出される予定だ。
エングル教授は市場の危険予測に貢献したとして、2003年にノーベル経済学賞を受賞し、韓国企業の招きで16日に韓国入りした。
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通貨オプション損失裁判、ノーベル賞学者が出廷(下)
■KIKOは不公正商品なのか
エングル教授は法廷で、「KIKOは合理性を欠くほど銀行に有利だ」と一貫して語った。
同教授はある輸出企業を例に取り、企業がKIKO契約で得られる期待利益は600万ウォン(約46万円)にすぎなかったが、
銀行はその814倍に達する48億8600万ウォン(約3億7800万円)の期待利益が生じたと試算した。
エングル教授は「企業はリスクヘッジのためにKIKO契約を結んだのに、むしろリスクを負うことになった。
一定期間に発生する可能性がある損失額も企業側が銀行側より100倍多い」と主張した。
これに対し、銀行側は「エングル教授の計算は通貨危機で異常な為替変動があった1997年12月の状況を基準としており、
非現実的だ」と反論した。
銀行側はさらに、「D社が契約を結んだ昨年2月を基準に計算すると、全く異なる結果が出る。
さまざまな種類の通貨金利のうち、どれを選ぶかによって、期待利益の計算には2倍の差がでる点も見過ごされている」と主張した。
■商品販売過程に問題はなかったか
エングル教授の計算を根拠として、企業側は
「銀行が企業と銀行の期待利益が同等だったと説明したのは虚偽だったことが分かった」と訴えた。
そして、「ウォン安進行時に大きな損失が出るという説明がなく、企業が複雑な金融工学を理解していない点を利用し、
銀行が十分な説明を行わないまま契約させた」と主張した。
それに対し、銀行側は
「企業がKIKO契約を自ら結んだものだ。銀行の利益には商品設計費、企業のリスク管理費用などが含まれているだけで、
行き過ぎた利ざやは取っていない」と譲らなかった。
銀行側の代理人は「企業が自らの判断で契約を結んでおいて、予想外の為替変動による損害を銀行に転嫁している」と批判した。
孫振碩(ソン・ジンソク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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