09/12/17 23:10:18
(ハンギョレ新聞)最後に一言だけ日本に対して言うべき事は言って、この長かった連載を締めくく
ろうと思う。それはこの頃、日本で飽きもせず話題になっている「東アジア共同体」に関する私の見解だ。
この連載の一番初めての部分で1951年、米日講和条約を推進した米国大統領特使ダラスが言っ
たという言葉を引用したことがある。「米国は日本人が中国人や朝鮮人らに抱いている民族的優
越感を十分利用する必要がある。」
この言葉は決してダラス個人の妄言でなく、米国が取ってきた極東政策の根幹を成す基本発想だ
った。私の長い間の友人ギャバン・マコーマック教授の言葉を借りれば「戦後から米国は日本の特
異性と他のアジア帝国とは根本的に違う点を強調して日本にとってその他のアジア国家との関係
を(疎遠になるよう)願うことにより、米国により一層依存することを基本目標にしてきた」という意
見だ。(『従属国家 日本』)
これに呼応するように「日本は他のアジア国とは格が違い、東洋というよりはいっそ西洋に近い国」
と主張する論文も出ており、日本人の優越感を正当化しようとする例もあった。
「日本は欧州と歴史発展の様相が共通し、フランク王国のカロリング朝にあった武士道の伝統を
発展させた点で日本は西洋文化圏に属する国だ。近代化だけでも日本だから可能だったことで日
本以外のアジアの国では不可能なことではなかったか。」
これは京都学派の梅棹忠夫教授の主張で(<文明の生態史観>)、日本はこのように「名誉白人国
家」として振る舞うことによって誇りと国家アイデンティティを維持してきた。もちろんこういう風潮は
明治まで遡り、これより先に慶応大学創設者の福沢諭吉が主張している。彼の「脱亜入欧論」は
日本がアジアから抜け出してヨーロッパに入り、彼らと肩を並べなければならないという主張だ。
清日戦争、露日戦争で勝利をおさめた点でこの主張は当時としては有効だった。ところで、最近に
なって急速に米国の力が衰退していく過程で、経済的にも軍事的にも米国一辺倒の依存に疑問
を抱くようになった日本人がすばやく逆に「脱欧入亜」に方向を切り替えなければならないと煩悶し
ながら「東アジア共同体論」が新たに浮かび上がったのだ。
(中略=>>2-5のあたり)
現在、日本人は自分たちが西洋人ではなく、完全な東洋人でもなく、へっぴり腰になりながらも、
潜在意識というか自国の皇室が朝鮮の土地を捨てて海を渡ってきた百済人であったという歴史の
かすかな記憶のために縁故権意識に対する執着を捨てられずにいる「アイデンティティ危機」の中
で悩む国民と言えるが、これは「精神分裂症」と言っても過言ではない一種の病気で、むしろ日本
人たちのために私たち韓国人が立ち上がって精神科医の役割をすべきではなかろうか考える時
がなくもない。日本がこの精神疾患から抜け出すことができない限り、アジア復帰は難しいのみな
らず「東アジア共同体」のようなものは容易でないだろう、というのが私の判断だ。
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チョン・ギョンモ在日統一運動家
ソース:ハンギョレ新聞(韓国語) [道を探して]西洋国振る舞ってきた日本の‘アイデンティティ混乱’
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関連スレ:
【書籍】 「対米依存で凋落する日本。韓国も・・・」~マコーマック豪名誉教授『従属国家 日本』[09/27]
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