09/12/12 21:29:30
政治利用、宮内庁に深まる危機感 天皇陛下と中国副主席会見問題
天皇陛下と14日に来日する中国の習近平国家副主席との会見が、1カ月前までに申請する
ルールに合わないまま決定したことで宮内庁に危機感が広がっている。羽毛田信吾長官は11日、
「二度とあってほしくない」と不快感を表明。異例の経過説明で舞台裏を明かした。
背景には、各国平等に行ってきた皇室の国際親善が簡単に“政治利用”されることへの
強い危機感がある。(白浜正三)
宮内庁と外務省では、各国要人が天皇陛下との会見を希望する場合、多忙な陛下の
ご日程調整を円滑に進めるため、1カ月前までに文書で正式に申請するよう求めている。
陛下が前立腺がんの手術をされた翌年の平成16年からはこのルールを厳格に運用。
国の大小や政治的重要性で取り扱いに差をつけることなく実施してきた。
17年にはタイの上院議長の会見要請が1カ月を1日切った段階でされたことがあったが、
地震と津波という自然災害の影響だった。ほかに例外はないという。
羽毛田長官は11日に報道陣への説明の場を設け、平野博文官房長官から電話で
陛下と習副主席との会見を実現するよう、2度にわたって強く要請されたことを明らかにした。
羽毛田長官は1カ月前ルールの趣旨を説明し、理解を求めたが、
「官房長官は『日中関係は重要だから』の一点張りだった」という。
ただ、「宮内庁も内閣の一翼を占める政府機関である以上、官房長官の指示には従うべき立場」
(羽毛田長官)として、最終的には受け入れたという。
しかし、上司である政治家からの指示内容を公表した上、
「二度とあってはほしくない」と苦言を呈するのは異例だ。この点について、
羽毛田長官は「楽屋話に類することは言わない方がいいのかもしれない」と前置きしながらも、
「こうしたことが今後、起こることへの懸念がある。陛下のなさりように関することについて、
宮内庁には外部に言う役割もあるのではないか」と語った。
宮内庁は各国との親善と天皇陛下のご体調を考え、ルールを順守してきた。
今回、「日中関係の重要性」という名目でいとも簡単に破られたことを強く懸念している。
鳩山首相は「諸外国と日本との関係をより好転させるため。政治利用という言葉は当たらない」
とさらりと述べている。その発想自体が皇室の国際親善を理解していないことの証左といえる。
MSN産経ニュース 2009.12.12 20:01
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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