09/12/11 22:48:00
11日開幕する「太陽の息子、インカ」展を韓国日報と共同主催する国立中央博物館のチェ・グァン
シク館長はインカ文明が生きて息をしている現場のペルー地域を今年9月に回って帰ってきた。
チェ館長はペルー現地でインカ文明遺跡地踏査とともに「太陽の息子、インカ」展の展示遺物を貸
与した機関をすべて訪れた。チェ館長が展示開幕に合わせてインカ文明史および遺物に関し寄稿
した文を今週から毎週木曜日に4回にかけて連載する。
本当に長い間待った瞬間だった。大学時代、インカ文明が世界6大文明の一つということを知って
から、いつか一度必ず行って直接見たいと考えたが、何と36年を超えていよいよ夢をかなえる
機会が訪れた。ちょうどLA美術館から韓国美術特別展開幕式に参加してくれという要請を受け、
ロサンゼルスに行く車でインカ文明が渦巻くペルーまで行くことにしたのだ。新種インフルエンザが
流行し高山症が危険だという話もあったがマチュピチュを見たいという熱望には何の障害にもなら
なかった。飛行機の窓を通して見える雄壮なアンデス山脈に興奮がまださめる前に現場に到着し
てみたクスコとマチュピチュの巨石文化はそれこそ壮観だった。
インカは1430年以後、約100年間中央アンデスを中心に帝国を治めたことが分かっている。しか
し事実、インカ文明は我が国と同じように数千年の固有の歴史と文化を持っている。五千年前、古
代祭事遺跡のカラルを始めに紀元前後の強力な母体王国、そして神秘のナスカ文化があった。ま
たワリ帝国とチム王国などは以後、インカ帝国が建てられた根幹だった。
アンデス地域の旧石器時代は1万2,000年前から始まり、紀元前6000年前から初期農耕生活を
した跡が現れる。そして紀元前3000年前から人々が集団で暮らす村が現れ始めた。ソウル江東
区岩寺洞で発見されたソンサ住居地のような住居地が発見された。
そして紀元前1800年から古代文明が形成され始めた。農耕の発展、土器の製作、紡織術の発明、
労働分化による都市の中心建築などが成立した。この時期、最も重要な変化は集約的な農耕が
広がったことで、多くの種類の穀物が活用されたという点だ。このような農業経済は村を作り、余
剰生産物を貯蔵できる土器製作につながった。その中で最も注目に値するのはチャビン文化(紀
元前1200～300年)で、この文化の彫刻品が発掘されている。そして宗教的な建築物が現れて、
祭司が新しい政治経済社会的権力者として登場する。あたかも古朝鮮の壇君王建が祭事と政治
を全部主監した祭政一致的存在であったのと同じだ。
（中略）
インカは海抜3,400メートルにあるクスコを首都とした4つの地域連盟勢力が力を合わせて帝国を
建設した。都市の中に高く聳え立つサクサイワマン遺跡はあたかもアテネのアクロポリス神殿と同
じ感じを与えるが、その姿を見れば軍事要塞の役割も担ったことが明らかだ。私が夢に描いた空
中都市マチュピチュは宗教的中心地として古代韓半島、三韓別邑の蘇塗（ソト）を連想させた。
韓国から遠く離れたインカ文明で韓国古代の文明と多くの類似性を探すことができたことは予想
外の収穫といえる。古代の王権と祭事との関係、祭事遺跡と軍事遺跡の複合性、太陽神崇拝信
仰と山の神信仰との関係などが私たちのものとよく似ており、韓国古代文明の遺跡にタイムマシ
ンで乗ってきたような錯覚をするほどであった。次回からはそのタイムマシンに乗ってアンデスの
古代文明とインカ文明の足跡について行ってみるつもりだ。
ソース：韓国日報(韓国語) 文化[チェ・グァンシクのインカ文明の話]<1>ペルー文明の始まりと終わり
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