09/12/11 21:54:15
民主党の小沢一郎幹事長が名誉団長を務める総勢600人超の同党訪中団は11日、グ
ループに分かれ、北京市内の各地を視察した。小沢氏は11日夜、一行と別れ、韓国・ソウ
ルへ移動した。「友好づくし」の日程の裏に透けて見えたのは、小沢氏の小沢氏による小沢
氏のための訪中団ということだった…。(北京、原川貴郎)
■ ■ ■
「成果は諸君が見た通り。胡錦濤主席も、あそこまで誠意を持ってやってくださったことは
多分、いまだかつてない」
小沢氏は11日、ソウルへの出発前に、北京市内のホテルで同行記者団に、訪中の成果を
こう強調した。
胡氏は10日夕、人民大会堂の北側入り口で小沢氏ら民主党首脳を待ち受け、握手で出迎
えた。訪中団の名誉副団長の輿石東参院議員会長は胡氏の手を押し頂くように両手で握り、
頭を下げてあいさつした。
胡氏とツーショット写真を撮った議員は「後援会の会報や選挙のときにぜひ使いたい」と笑
顔を見せた。
中国側の10日夜の歓迎レセプションも盛大だった。
人民大会堂の広大な「宴会庁」に並ぶ70卓のテーブルには、訪中団にまじって中国共産主
義青年団に所属する芸能人やオリンピック選手が座った。舞台では女性らの太鼓や踊り、歌
のショーが繰り広げられた。
小沢氏もすべてのテーブルを回って、訪中団の議員や後援会関係者らと写真に収まった。
「普段のこわそうな印象と違う姿に、みんなぐらっとくるのよ」。女性議員は小沢ファンの拡大
を確信したようだった。
■ ■ ■
「党レベルの交流は、政府レベルでは難しいものについても忌憚(きたん)ない話し合いがで
きればいい」
小沢氏は胡氏との会談でこう述べた。
だが、11日以降の訪中団の日程は、北京市内の汚水処理場の見学などで中国側との討論
の予定は計画されていなかった。目的が「基本的に草の根交流」(小沢氏)だったからだ。
11日午前には、約30人の議員らが中国外交部を訪ね、約1時間、アジア担当の胡正躍(せ
いやく)次官補と面談する場面があったが、やりとりは深まらなかった。
「東アジア共同体に向けてどんな活動をやったらいいか、その辺を先生(胡次官補)に教えて
いただきたいと思います」(若泉征三衆院議員)
「小沢幹事長が大訪中団を率いてこられたのは、小沢先生と民主党の先生方が中日関係を
重視している積極的な姿勢を示しており、高く評価します」(胡次官補)
結局、ほぼ日本側が胡次官補の話を拝聴するだけに終わった。
「小沢氏の率いる大規模な代表団の訪中は、対内的には、小沢氏が自らの政治権力を示し
たものであり…」。中国現代国際関係研究院の劉軍紅研究員は、国際関係専門紙「環球時報」
にこんなコメントを寄せた。目立ったのは度を過ぎた友好ぶりと143人もの議員を動かし、中国
側からも一目置かれる小沢氏の存在感ばかりだった。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)