09/12/03 15:28:57
李明博 (イ・ミョンバク) 大統領は2日朝、ストライキにより非常事態となっている韓国鉄道公社 (KORAIL) ソウル本部の対策室を訪れ、「どのようなことがあっても原則は守られなければならない。
法が尊重されなければ、今後も同じようなことがくり返される」「ソウル・メトロの運転士や退職者から (ストに参加する組合員の代わりに) 支援を受けることも検討してほしい」などと述べた。
鉄道組合が先月26日から行っているストについて、李大統領はほぼ毎日、鉄道公社側に対して断固たる対応を求めてきた。そのような中、この日は自ら直接公社を訪問し、改めて強いメッセージを伝えたのだ。
その内容は、代わりとなる人材を最大限動員し、貨物や乗客の輸送での問題を最小限にとどめるよう努力を重ねる一方で、組合からの要求には決して応じてはならないということだ。
李大統領はこの日、洛東江再生事業起工式に出席するため大邱に向かったが、その際に一般の乗客とともに韓国高速鉄道 (KTX) を利用した。「組合がストを行っても列車は運行される」ということをアピールするためだ。
また1日には果川の政府庁舎で行われた7部処 (省庁) の閣僚を集めた緊急の対策会議に、直接出席することも検討されていたという。
李大統領は先月30日に与党ハンナラ党の幹部らと会合を行った際、自らがソウル市長だった当時、幹部を地下鉄ストの現場に派遣した経験について語り「今回は軍の機関士からも支援を受けてはどうか」などと語ったという。
李大統領の一連の動きは、1980年に米国で起こった航空管制官らによるストに対し、強硬な態度を示した当時のレーガン大統領を思い起こさせる。
レーガン元大統領は公務員である管制官らがストを行った際、「48時間以内に業務に復帰しなければ解雇する」と警告し、実際に復帰しなかった1万1300 人以上を解雇し、代わりの人材を投入した。
ちなみに当時警告を受けて復帰したのはわずか1300人だった。レーガン大統領は大統領選挙で管制官組合の支持を受けていたため、実際に解雇に踏み切るとは誰も予想できなかった。
その後レーガン大統領は解雇された管制官らが再び公務員になる道を閉ざす措置まで行った。この事件は米国の労働運動の歴史上、組合側が没落する大きなきっかけになったと評価されている。
組合に対する李大統領の発言が強まるに従い、組合側だけでなく野党からの反発も強まっている。
民主党の丁世均 (チョン・セギュン) 代表は今回のストについて、「ストを誘導したのは政府であり、このような政権は初めてだ。野党や組合、労働者を路頭に迷わせる李大統領政権とハンナラ党は責任を取るべきだ」などと述べた。
民主党の洪永杓 (ホン・ヨンピョ) 議員、民主労働党の洪熙徳 (ホン・ヒドク) 議員、創造韓国党の柳元一 (ユ・ウォンイル) 議員、進歩新党の趙承洙 (チョ・スンス) 議員らは共同の記者会見に臨み、
「李大統領は直接現場に出て、“妥協するな”などといった強硬な発言を繰り返し行っている。このような態度では国民の意向をくみ取ることができず、一方的に独走する政府が問題であるということを表面化させる効果しかもたらさない」
などとして李大統領と政府を非難した。これに対して大統領府のパク・ソンギュ報道官は「そのような主張は誤っている。違法行為に対しては断固とした対応を取るが、正当で合法的な組合活動は最大限尊重するというのが、李大統領のはっきりとした原則だ」と述べた。
いずれにしても李大統領の厳しい態度は、現在も労使対立がくすぶる韓国電力傘下の五つの発電所、ガス公社、労働研究院などにも影響を及ぼすものとみられ、今年の冬は各地で激しい労使対立が予想される。
■ソース
鉄道労組スト:李大統領「代替人材を増やすべき」(上・下)
URLリンク(www.chosunonline.com)
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■備考
韓国の鉄道労組によるストが始まったのは11月26日。12月3日で8日目。
朝鮮日報の記事では、アメリカの航空管制官ストは1980年となっていますが、
ウィキペディアでは1981年8月3日となっています。
Professional Air Traffic Controllers Organization (1968)#August 1981 strike
URLリンク(en.wikipedia.org)