09/11/30 18:27:14
- ブラックホール周辺環境 レーザー「激光12号」で再現…疇地・阪大教授ら -
大阪大などの日中韓の共同研究グループが、高出力レーザーでブラックホール周辺
と似た環境を再現することに成功した。天文学はこれまで観測と理論、コンピューター
での研究が中心だったが、レーザーによる模擬実験という新たな研究方法を切り開くもの
として注目される。
URLリンク(osaka.yomiuri.co.jp)
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大阪大レーザーエネルギー学研究センターの疇地(あぜち)宏教授、藤岡慎介助教らを
中心に、中国国家天文台や韓国原子力研究所などの研究者が参加して、3年前から研究
を開始。12本のビーム管を持つ阪大のレーザー装置「激光12号」を使用した。直径0・5
ミリ・メートルのプラスチック球をめがけて、レーザーを一斉に照射。すると1億気圧の超高圧
状態でプラスチック球が瞬間的に10分の1に圧縮され、1000万度以上の高温で太陽より
約10億倍明るい、原子核と電子がバラバラになったプラズマが生成された。
このプラスチック球のそばに、プラズマ状態のシリコンを置いたところ、プラスチック球で
発生した強烈な光が当たり、「光電離」という現象が発生。ブラックホール付近から出るのと
ほぼ同じスペクトルのエックス線が、シリコンから放射された。
疇地教授は「レーザーの数や出力を変えることで、超新星爆発をはじめとする様々な天体
現象を再現するのに応用できる」と話す。
大阪大の研究グループは、1998年に、プラズマから放出されるエックス線を増幅し、世界
最高クラスの明るさを持った高輝度エックス線レーザーの発生に成功。レーザーで天体現象
を再現する「レーザー宇宙物理」を提唱した。藤岡助教は「最終目標はブラックホールその
ものの再現だ」と意気込む。
ソース : (2009年11月30日 読売新聞)
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