09/11/20 10:28:50
在日韓国・朝鮮人一世らの高齢者交流クラブ「トラヂの会」(川崎市川崎区桜本)の女性たちの
激動の人生を聞き取った書籍「在日コリアン女性20人の軌跡」(明石書店刊)が発行された。
故郷を離れ、差別や貧困と闘いながら家庭を守ったハルモニ(おばあさん)たちの“戦い”が凝縮されている。 (堀祐太郎)
市ふれあい館のボランティアスタッフや学識者ら八人が、同会発足の一九九八年から続ける聞き取り調査をまとめた。
証言した金福順(キムボクスン)さん(84)は、朝鮮半島南部の慶尚南道・晋州から四〇年に来日。
長崎県の対馬や愛知県内などで暮らし、終戦直後の四六年、親せきを頼り、現在の横浜市鶴見区生麦に転居した。
「子どもが七人もいて本当に大変だった。密造のドブロクやくず鉄を売ったりして、
生きるためにはなんでもしてきた」と振り返る金福順さん。子育てや仕事に追われ、
日本語を学ぶ余裕がなかったため、今も文字があまり読めない。
川崎区大師駅前の金文善(キムムンソン)さん(84)も、区内で屋台を出しながら三人の子どもを育て上げた。
同書では、戦時中に勤めた静岡県沼津市の軍需工場で、過酷な労働に耐えられず、脱走したことなどを告白。
金文善さんは「貧しくつらい時間が長かった。そんな私の人生をこの本で知ってもらえたら」と語る。
戦後六十四年がすぎ、在日一世の高齢化が進んでいる。証言を寄せた二十人のうち、五人はこの世を去った。
聞き取りした「トラヂの会」スタッフの鈴木宏子さん(72)は「話を聞いたお年寄りには、認知症で昔のことを
思い出せなくなった人もいる。貴重な記録を残すため、今後も聞き取りを進めたい」と意気込んだ。
同書についての問い合わせは、青丘社=(288)2997=へ。
東京新聞
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
「在日コリアン女性20人の軌跡」で半生を語った金福順さん(左)と金文善さん=川崎区で
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