09/11/17 14:01:59
16人の死傷者を出した釜山の実弾射撃場火災から三日が経過したが、警察は発火原因を明らかにできていない。金重確 (キム・ジュンファク) 釜山地方警察庁長は16日、「放火なのか失火なのか、あらゆる可能性について徹底して捜査していく」と語った。
事故は引火性の物質による爆発なのか、健康な30代男性がなぜ逃げられなかったのか、外部の人間による放火の可能性はないのかなど、疑問は深まっている。
◎引火性物質の爆発か
警察が最も重きを置いている部分だ。被害者や目撃者が証言した事故当時の「ポン」という音や、被害者が逃げることすらできず死亡した状況は、一瞬のうちに起こる爆発事故でなければ説明がつかない。
又松大のイン・セジン教授 (消防防災学) は、「爆発が起こったのは確実だろう」と語った。通常、火の手が上がってから炎が大きく燃え広がるまで5 分程度かかるが、この場合、休憩室にいた人々が気付かないことはあり得ない。
遺体がひどく焼け焦げている点も、爆発の証拠だという。湖西大の呉圭衡 (オ・ギュヒョン) 教授 (消防防災学) は、「爆発によって被害者が意識を失い、死者が増えた」と推定した。
消防防災庁火災災難本部の関係者は、「2006年にソウル市瑞草区盤浦洞の射撃場で、未燃焼の火薬が原因で火災が起こったが、これと似たパターン」と語った。射撃の際、床に落ちた微量の残留火薬が、引火性物質によって燃え上がった可能性のことを指している。
積もっていたり、あるいは震動で空中に飛散したりした火薬の粉に火が付き、爆発したとの説明だ。日本人観光客のうち喫煙者が、射撃場内でたばこを吸おうと火を使い、爆発につながったとの推定も出ている。
しかし、警察の科学捜査チームの関係者は、「未燃焼の火薬が相当量堆積 (たいせき) した射撃台や射路周辺なら起こり得る話だが、何度も掃除された休憩室の床にまで火薬が積もっていたというのは疑問だ」と語った。
とはいえ、警察が最初に火が出た地点とみている休憩室のソファが、弾薬庫のすぐ前にあったという点は、掘り下げてみるべき部分だ。警察は15日と16日、2度にわたり火災現場で鑑識活動を行ったが、電気系統の故障などほかの火災原因を探し当てることはできなかった。
◎なぜ逃げられなかったのか
被害者が爆発の後に有毒ガスで窒息し、災難に遭ったと推定する火災専門家もいる。
遺体の解剖はなされていないが、専門家らは「健康な男性でも、有毒ガスを一息二息吸ってしまうと、たちまち倒れて意識を失うことになる」と語った。防火設備が整っておらずスプリンクラーが作動しない状況では、火が付いたソファから吹き出る有毒ガスは致命的だ。
サムスン防災研究所のパン・ジョンミン責任研究員は、「有毒ガスを吸入した瞬間、たちまちパニック状態に陥ることになる。わずか10メートル先に出入り口が見えていても、なすすべがない」と語った。
炎を避けようとする本能のため、出入り口とは反対側に向かってしまい、災難に遭った可能性も提起されている。警察の科学捜査チームの関係者は、「ソファ周辺を発火点とした場合、被害者はソファの横にある出入り口の方には絶対に行けなくなる」と語った。
火災当時開いていた出入り口からかなりの煙が出ていた、という警察の捜査結果を見ても、被害者が煙や有毒ガスがひどい出入り口の方に逃げていくことは不可能だったというわけだ。
大田大のコ・ジェソン教授 (消防防災学) は、「慣れない場所で火災に遭遇した場合、暗闇の中で出入り口を探し出せる確率は10分の1にも満たない」と語った。
◎何者かによる放火か
明確な発火の原因が分からない中、外部の人間による放火の可能性も出ている。金庁長は、「まだ決定的な情報提供はない。火災発生直前に急いで逃げた人物もいない、という捜査結果が出ている」と語った。
しかし、事故現場周辺からは「担架に乗せられて出てきた日本人の中に、体に入れ墨がある人がいた」という主張も出た。金庁長は「日本の組織暴力団との関連など、いろいろな憶測が出ているが、事実無根」と語った。
■ソース
釜山射撃場火災:爆発をめぐるミステリー (上) 放火の可能性も
URLリンク(www.chosunonline.com)
釜山射撃場火災:爆発をめぐるミステリー (下) 放火の可能性も
URLリンク(www.chosunonline.com)