09/11/14 23:14:49
火だるまになった人が飛び出してきた─。
日本人観光客を含む10人が犠牲になったとみられる韓国南部・釜山市の火災。現場は多くの日本人が訪れる韓国屈指の観光地で、古いビルが目立つ。繁華街にあるビル内の実弾射撃場という特殊な観光施設での惨劇に、防災対策の不備を指摘する声も出てきそうだ。
火災発生時にビル1階付近にいた韓国人女性 (49) は「いきなり『ボン』という音が聞こえた。見上げると激しく煙が噴き出していた」と言う。間もなく、1階出入り口からも煙が噴出し、体中を火に包まれた人が駆けだしてきた。
女性は「『大丈夫か』と声を掛けたが、身動き一つしなくなった」と、凄惨 (せいさん) な光景を証言した。
現地警察によると、ビル2階の射撃場には付随して順番待ちの休憩室やトイレなどがある。現場検証で犠牲者は休憩室内で多数見つかっており、出火元は射撃場内ではなく、休憩室付近だったようだ。施設内の弾薬庫は燃えていないことも分かった。
だが、火は出火直後に一気に燃え広がったとみられ、休憩室付近に可燃物があった可能性もあるとみて、当局は関係者から事情を聴いている。
射撃場の近くには、朝鮮戦争 (1950~53年) で進駐した米軍の軍需物資などが流れ込んで発展した釜山最古の国際市場があり、日用品や雑貨、家電品などを扱う1500以上の商店が軒を連ねる。
週末や休日には買い物客で身動きできないほどのにぎわいを見せるが、通路の狭さやビルなどの老朽化も目立っている。一方、実弾射撃場は釜山のほか済州島などにもあり、特に日本人に人気が高い。現地旅行会社は日本人客向けのツアーコースに入れている。
射撃場を訪れた経験を持つ現地駐在の日本人によると、ほとんどの射撃場は郊外や山の中にあり、今回の火災現場のように繁華街のビル内にあるのは珍しい。また、通常は射撃場の指導員が観光客1人ずつに安全指導をするなどの対策を取っている。
しかし、弾薬類の保管や火災防止など安全面で問題がある店もあると指摘する声がある。
◇日本人に高い人気
「免許なしで初めての人も安心」「スカッとストレス解消」。こんなフレーズで体験ツアーが組まれるなど、釜山の射撃は日本人観光客に根強い人気となっている。だが狭い施設内で火薬を使うため、安全面の問題を指摘する声も出ている。
釜山の旅行情報サイト「釜山ナビ」の担当者によると、市内には射撃場が4カ所あり、利用者の多くは日本人。韓国人男性の多くは軍隊経験があり、代金を支払ってまで射撃には来ないという。
火災のあったガナダラ実弾射撃場は、繁華街・国際市場のアリラン通りにあり、立ち寄りやすいため人気が高い。看板は片仮名で書かれ、日本語の話せる職員もいる。銃の口径や種類によって価格が違うが、拳銃10発の「基本コース」は日本円で3000~4000円程度。
天井からつるした風船に当たればはじけ飛ぶ趣向が人気を呼んでいる。担当者は「射撃が気に入り、リピーターになる日本人もいる。釜山の観光業界は、今回の火災で営業に影響が出ないか心配している」と話した。
市内にある別の射撃場によると、日本人は個人のフリー旅行で訪れる人が多く、「パスポートなど身分を証明できる書類があれば特別な免許がいらず、日本から近いので人気が高い」と話した。
ソウル市内の旅行会社によると、射撃場はソウルや済州島にもある「韓国ならではの観光資源」。近年はストレス解消のために訪れる日本人女性が増えているという。
安全性確保のため、客の横にはインストラクターがつく。「火薬類を扱うのでセキュリティー対策は整っているはずだが……」と話した。
地元で日本人向け旅行情報誌「まるごと釜山」を出版する会社の男性社員は「実弾射撃場の顧客はほとんど日本人ではないか」と話す。火災現場に十数人がいたと聞き「そんなにいたら、満員だったはず」と語った。
「釜山ナビ」の別の担当者は「狭くて火薬などの危険物も多いため、火災が起きれば被害は大きいだろう」と話す。繁華街にある射撃場は珍しく、弾薬類の保管や火災防止など安全面で問題がある施設もあると指摘する声もある。
■写真
多数の日本人の犠牲者が出た火災現場=韓国・釜山市で2009年11月14日午後9時半、矢頭智剛撮影
URLリンク(mainichi.jp)
■ソース
釜山射撃場火災:休憩室付近に可燃物? 「火だるまで…」
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