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司馬遼太郎さん原作「坂の上の雲」ドラマ化めぐり論議
NHKが11~12月に放映するドラマ「坂の上の雲」をめぐり、市民団体や近代史専門家らが、原作者の
故司馬遼太郎さんが「ミリタリズム(軍国主義)を鼓吹(こすい)しているように誤解される」と映像化を
拒み続けていたことを挙げ「9条改悪の世論作りになる」などと批判している。
県内では問題点を考えるシンポジウムも開かれるが、NHKは
「誤解を恐れた司馬さんの思いを生かして制作している」と説明する。(森本尚樹)
「坂の上の雲」は司馬さんの代表作の一つで、日露戦争の海軍参謀・秋山真之、その兄で陸軍軍人の好古
(よしふる)、俳人正岡子規らの奮闘や苦悩を軸に、近代化に突き進んだ明治を描く。
ドラマは本木雅弘さん主演でNHKが制作し、11月29日から第1部5回が放映される。
だが、司馬さんは生前、映画・ドラマ化の申し入れを一貫して拒否し、NHKの番組で
「なるべく映画とかテレビとか、そういう視覚的なものに翻訳されたくない作品でもあります。
うかつに翻訳すると、誤解されたりする恐れがありますからね」と述べている。
「NHK問題を考える会」(兵庫)事務局の西川幸さんは「自衛隊の海外派兵恒久化や憲法改悪の論議が
くすぶる中での放映で、視聴者として問題点を考えたい」としている。
中塚明・奈良女子大学名誉教授(日本近代史)も「原作は日本の朝鮮支配と直結していた日清、日露戦争の
真実に触れていない。韓国併合100年を翌年に控えた時期に公共放送での放映は理解できない」と指摘する。
NHK広報局は「司馬遼太郎記念財団から故人の遺志も理解した上で映像化の許可をいただいた。6年前に
ドラマ化を決定・発表しており、昨今の(政治的な)動きと連動するものではない」と説明する。
NHK問題を考える会は県内の平和団体や労働組合などの協賛も得て、11月8日午後1時半から、
神戸市中央区の県私学会館でシンポジウム「なぜ、いま『坂の上の雲』かを考える」を開く。
(2009/11/06 10:22)
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