09/11/02 14:32:40
週末の昼下がり、人並みにネットサーフィンなどをしていると、時たま中国のスパイ活動についてとんでもない情報に出くわすことがある。
今回見つけたのは、2001年10月に外国に出張・滞在する政府関係者用に英国防省が作成したと思われる防諜マニュアルだ。もちろん、真偽のほどは不明である。
全体で2389ページもある本マニュアルの秘密指定は最もレベルの低い「restricted」だが、限られた政府関係者にCD-ROMの形で配布されたようだ。本年 (2009年) 5月にご紹介した米情報関係者用部内資料の英国防省版だと思っていただければよい。
同文書は、いかにも英国らしく、実にしっかり書かれている。防諜関連知識が基礎から実践まで包括的に解説されている。
それとともに、特別防諜規則が適用される国々としてベラルーシ、中国、セルビア・モンテネグロ、ロシア、ウクライナを挙げ、ご丁寧にも、各国への訪問者に対し注意事項を分かりやすく説明しているのだ。
「こんなものがネットに流れてよいのか」と心配になるほどだが、筆者としても見てしまった以上は仕方がない。今回と次回の2回に分けて、その中国、ロシア部分を詳しくご紹介したい。
●あらゆる情報に関心のある中国の諜報機関
「JSP440 THE DEFENSE MANUAL OF SECURITY: ISSUE 2」と題されたこの防諜マニュアルの別添資料「F」と「G」には、中国とロシアを訪問する英政府関係者に対する注意事項が簡潔に書かれている。
この中露スパイ活動に関する記述を比較して読むと、実に興味深いことが見えてくるのだ。まずは注意事項の主要点を引用しよう。
(ロシア用注意事項から引用)
『厳しい国内経済事情により、ロシア連邦諜報機関 (RFIS) はロシア経済を活性化する情報、科学技術情報およびロシアの政治的影響力を高める情報の収集を重視している。これには特許情報の盗取や西側の科学的発展に関する詳しい情報の入手などが含まれる。
これに加えて、RFISは政治情報やロシア諜報機関の伝統的な収集対象であるNATOなど西側の防衛・安全保障関連情報にも関心がある。』
(中国用注意事項から引用)
中国の諜報活動は極めて広範であり、政治、軍事、商業、科学技術などすべての情報に対して旺盛な食欲を示す。中国は単に技術を盗み出し、これを分析・模倣するだけでは満足せず、今ではより詳細な生産技術や手法に関する情報の入手を試みている。
また、主要な軍事分野で西側に1世代後れを取る中国は、西側に追いつくため非合法手段で軍事技術を取得しようと努めている。こうして得られた兵器システムを敵対国家に売却することも英国にとって現実の危険となっている。
以上から分かるように、情報収集の対象に関する限り中露に大きな違いはない。しいて言えば、中国の情報収集対象がロシアに比べより幅広く、奥深いことことぐらいだろうか。
■ソース part 1/2
英国の諜報機関が見た中国のスパイ活動
ネット上の掘り出し物~中国株式会社の研究~その30
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
■ソース part 2/2
あなたの周りにいる中国のスパイたち
中国人だけでなく日本人も~中国株式会社の研究~その31
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
■関連
【英国】MI5がスパイ警戒呼び掛け…特にロシアと中国[06/18]
スレリンク(news4plus板)
※露中の諜報関連スレは多過ぎたので省略
[続きます]