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(参考仮訳)
IMFアジア太平洋地域経済見通し(APD REO)2009年10月
要旨
アジアは深刻な世界経済危機から急速に回復している。同地域は当初、経済危機により大きな打撃を受け、大半の国
で生産が危機の震源地である国々よりも大幅に落ち込んだ。しかし今やアジアは景気後退局面からの脱却において
世界を牽引している。このアジアの目覚しい回復の要因は何だろうか?またこの回復に伴い、アジアの政府にどんな
課題が待ち受けているのだろうか?
アジア以外では生産が低迷しているのに対し、アジアは世界的景気後退局面からの力強い回復を見せている。これを
受けエコノミストの中には「アジアは他の地域と切り離されて成長する」という「デカップリング」論を再提起している人も
いる。しかし第1章で述べるように、この背景を慎重に検証した結果、アジアの景気が回復してきたのは2008年の末に
崩壊した世界の貿易と金融が、正常な状態へ戻ってきつつあるからである。米国の景気悪化が国際貿易・金融の凍結
につながり、アジアのGDPが大幅に低下したのと同様の原理で、今度は米国の正常化がアジアの大規模な回復を
引き起こしているのである。その結果2008年末最も深刻な影響を受けた輸出依存型のアジア経済が、他国に先駆け
急速に回復しているのである。
また、同地域において 包括的な政策対応が断固且つ迅速に行われたこともアジアでの景気回復を後押しした。
このような力強い対応は、アジアの当初の状況が比較的強固だったことで可能となった。つまり以前に比べ、多くの国
において、財政の健全性、金融政策の信頼性、企業と銀行の財務の健全性が保たれていた。こういった状況により、
大幅な金利引下げ及び大規模な景気刺激策の実施の余地をアジアは有していた。結果的に、不振な民間需要にも拘らず
国内需要は総体的に非常によく持ち堪えてきた。
同地域の今後の見通しはどのようなものだろうか?世界状況は2010年も引き続き改善するものの回復は緩慢と予測される。
国際通貨基金(IMF)の最新の見通しによると、先進7カ国(G7)の来年の成長率は1.25%に止まると予測されるが、これは
2009年に減少した分のわずか半分しか埋められない。要するに、危機の後遺症が依然としてG7各国の民間需要に
重くのしかかっていることが問題なのである。景気後退期の資産価格の暴落で莫大な富が失われ、家計並びに銀行は
バランスシートの改善に取り組まねばならず、家計は消費を増やせず、銀行は融資を拡大できない。よってG7の消費は当面弱
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(続く)