09/10/21 21:01:43
明窓 : 「イムジン河」
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座の真ん中で輪を組んだオモニたちが踊る。母国の民族楽器チャンゴが奏でる懐かしの民謡
「アリラン」に酔いしれたかのように
▼鳥取県琴浦町の日韓友好交流広場で民団鳥取県本部が開いた「シオレマダン」での風景。
その姿に、ザ・フォーク・クルセダーズの名曲「イムジン河」がレコード会社の自主規制で発売中止
となり、放送自粛された時代が蘇った。1968年のことだ。この曲はもともと北朝鮮の流行歌だったが、
作詞家の松山猛氏が意訳した
▼イムジン河を越えて対岸の韓国へ飛び立つ鳥に、分断国家の現実と、韓国へ自由往来できない
身の上を嘆く。元歌は「綺麗な花が咲く北の姿を南の人々に知らせておくれ」という内容であり、
国交がない北朝鮮との摩擦を恐れたことなどを理由に自主規制したのだという
▼発売中止になる前、幾度か放送で聴いたことがある。そんな記憶も忘れかけていた2001年の
大晦日、紅白歌合戦で韓国の女性歌手金蓮子さんが歌ったのに驚いた。わが国で思っているよりも、
南北国民同士の間で感情的な対立は薄らいでいたのだ
▼国家同士の関係に過敏だった時代は、過ぎた。拉致被害者の返還は、粘り強く、声高に要求し
続けるべきだが、国内に定住する朝鮮・韓国人の地方参政権を導入することは、自然の成り行きだ。
税金を負わせながら、その使われ方を審議する議員の選挙にかかわれないことは、不自然だ
▼オモニたちの踊る姿に、国際社会の一員として不平等を見逃してはならないと感じた。(螢)