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米国防総省の高官は、今月22日にソウルで行われる韓米定例安保協議会（SCM）に関する会見で、
「韓米間の戦時作戦統制権移管に関する最終決定は2012年の状況評価に基づいて行われるが、
（現時点では）予定通り実施される見通しだ」と述べた。韓国国防部の報道官も19日、「12年の統制権
移管に必要な準備は順調に進められている」と語った。盧武鉉（ノ・ムヒョン）、ブッシュ両政権が07年2月に
合意した内容に従い、12年4月17日午前10時から、韓米連合司令部が有する統制権が韓国軍に移管
され、これに合わせ、韓米連合司令部も解散するというわけだ。
07年の合意で準備期間として設けられた5年の半分が過ぎた今、統制権移管のための準備はどの程度
進んでいるのだろうか。前政権は、統制権の移管を第2の独立運動であるかのように宣伝していた。しかし、
韓半島（朝鮮半島）の現況はそうした民族的ポピュリズムに単純化できるほど簡単なものではない。
われわれは、核やミサイルなど大量破壊兵器で武装した世界第4位の軍事大国、北朝鮮の脅威にさらさ
れている、という特殊な状況にある。北朝鮮は今年に入り、2回目の核実験を実行し、大陸間弾道ミサイル
に転換可能な長距離ロケットを含む弾道ミサイルの実験だけでも25回行っている。韓米間の統制権が移管
される12年は、北朝鮮が「強盛大国完成」の時期に設定している年だ。
過去60年の間、韓米連合司令部を維持してきたのは、世界最高水準を誇る米軍の目と耳が北朝鮮の
異常な動向を感知し、緊急事態が起きた場合、米軍に韓国軍と共に大韓民国の防衛を任せるためだった。
今後、韓国軍が北朝鮮による奇襲の兆候を察知し、北朝鮮の核やミサイル施設の把握、脅威的な長距離
砲をはじめとする10万人の特殊部隊の動きを事前に感知する主要任務を担うためには、莫大（ばくだい）な
予算を投じ、装備と人員を整えなければならない。政府は07年、151兆ウォン（約11兆7000億円）を投入し
て対北朝鮮情報偵察戦力の補強と軍の現代化を推進すると主張した。しかし今回の国政監査では、燃料
代を節約するため、昨年空軍パイロットの飛行訓練時間を北朝鮮とほとんど差がない年間131時間に減ら
していたことが分かった。また、一部の機甲部隊では、戦力の半分近くを戦車の代わりにトラックで埋め合わせ
ていたことも分かった。国防部は来年度予算を7.9%引き上げるよう要求したが、3.8%の引き上げにとどまった。
国防予算を増やすためには福祉予算を減らすか、税金を大幅に引き上げるしかない。しかし、われわれがそ
うできる状況にないことは誰もが承知している。
米国は、世界的レベルの米軍再編戦略に従って在韓米軍を海・空軍中心に再編することを計画しており、
盧武鉉前政権が統制権問題を提起するや、待っていたかのように韓国側に移管すると応じたのが、統制権
移管の政治的背景だ。韓半島の安全保障の状況についての評価が後回しにされた可能性があるというわけだ。
韓米は韓半島の安保環境について、率直かつ全面的な論議を開始し、その結果を見て、統制権移管の時
期を再検討すべきだ。
ソース：朝鮮日報
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