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鳩山外交の柱 実現へ課題山積 『東アジア共同体』道険し
2009年10月5日 07時17分
鳩山由紀夫首相が、アジア外交の柱にすえる「東アジア共同体構想」の推進に力を入れている。
十日に北京で開かれる日中韓首脳会談を契機に具体化を急ぐ構えだ。
ただ、中国との主導権争いが早くも始まる一方、蚊帳の外に置かれた米国は警戒感を隠さない。
関係各国の思惑が交錯する中、実現までには課題が山積している。 (佐藤圭)
共同体構想は、在日米軍再編見直しなどを念頭に置いた「対等な日米同盟」とともに、鳩山政権の外交政策の中核をなしている。
首相は欧州連合(EU)を手本に、東アジアでの恒久的な安全保障体制や「アジア共通通貨」の実現を視野に入れているものの、
当面は、広域的な経済連携協定(EPA)の推進を中心に共同体の形成を模索する考えだ。
しかし、これがいかに難しいかは過去の歴史が証明している。共同体構想の「原型」は、一九九〇年代初めにマレーシアの
マハティール首相(当時)が提案した東アジア経済会議(EAEC)。EAEC自体は米国の反発で頓挫(とんざ)したが、
その後、同じ枠組みの東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)会議が定着。
二〇〇五年には、共同体創設を目指す東アジアサミット開催にこぎ着けた。
ところが、東アジア内では、政治体制や経済の発展度合いに違いがある上、盟主の座をめぐる日中間の対立もあって議論は停滞。
共同体の枠組みさえも、中国が自国の立場を通しやすいASEANプラス3に限定しようとするのに対し、インドなど域外国が
加わる東アジアサミットを主張する日本が譲らず、立ち消え状態になっていた。
これを今回首相が引っ張り出した格好だが、既に「歴史は繰り返す」気配も漂う。中国は、構想自体には賛意を示すが、
日本に主導権を渡す気はない。楊潔〓外相は先月末の日中外相会談で「われわれが最も早くから(共同体の)構築を支持してきた」と
牽制(けんせい)した。
米国では、共同体創設を提唱した首相の論文が「反米的」と受け止められ、首相は記者会見などで「米国を除外するつもりはない」
と弁明しなければならなかった。
日中韓首脳会談では、共同体構想の推進で一致するものとみられるが、作業チームの設置など具体的な体制を詰め切れるかは
流動的だ。今月下旬の東アジアサミットや十一月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議など、一連の国際舞台で
軌道に乗せることができなければ、再びお蔵入りする可能性をはらんでいる。
※〓は竹かんむりに、厂(がんだれ)、下に虎
(東京新聞)
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