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同じく『K-1WGP FINAL16』韓国大会のスーパーファイトでタヒール・メンチチに判定勝ちしたイム・チビン
が、大会前に『MFIGHT』のインタビューに答え、不況に苦しむ韓国格闘技界で、K-1と並行してMMA
で試合することも考えていることを吐露している。厳しい韓国格闘技界の現状を知るうえで興味深い
ので以下に紹介したい。
韓国では“代表選手”として確固たる地位を築くイム・チビンだが、一方では「地味すぎる」といった批判
もあるようだ。インタビュアーにその点を指摘されると、イム・チビンは「それは意図的なものではないが、
“韓国の代表選手”と評される負担感があったし、自分も常に模範的であろうとした。自分がプロ
ファイターとしてロールモデルにならなければならないと思っていたし、周囲の期待もそういうものが多かった。
いつも練習ばかりで、視野が狭くなっていたかもしれない」とコメント。さらにインタビュアーが韓国で「韓国
版セーム・シュルト」という意見まであることを紹介すると、チビンは「ハ…ハ…ハ……。本当にそこまで
言われているとしたら……深刻だね（苦笑）。もう少し自分の人間的なところを見せないといけないね。
格闘技生活を10年以上やってきたが、自分の人生を振り返っても模範的すぎて退屈だと感じるし、
とくにおもしろいこともなかった。自分には格闘技以外に趣味もないし、応援するファンに喜んでもらうこと
だけが人生の目標だったが、人生の楽しさをあまり知らずに生きてきたのかもしれない。ただ、私も人間
だから『つまらない』と言われればつらい……」と苦しい心境を吐露。
インタビューの途中でMMAについて話題が及ぶと、意外にもイム・チビンは「MMAは以前から学んで
みたいと思っていた。自分には柔道の基本があるので、やればいつでもやれると思う。具体的に『MMAを
しなければ』とまでは考えなかったが、韓国の実情を考えると適当な時期にMMAも並行してやるべき
ではないかと思う」と“二足のわらじ”を履くことも頭にあるという。ここでチビンは格闘技記者に対して
「韓国でMMAを練習するとしたらどこのジムがいい？」と逆取材を開始。記者に「MMAは柔道の
メダリストでも厳しい世界ですよ」と諭されても、チビンは「いや、自分が本気でやればうまくできると思う。
最初に習った格闘技も総合に近い柔道だったし、センスはあると思う」と負けず嫌いな一面をのぞかせ
ていた。取材の最後には今年で引退を表明している魔裟斗に対し、「魔裟斗が引退するのは凄く
惜しいし、残念だ。彼ともう一度闘えるならファイトマネーがなくてもやりたかったが、それも難しそうだ」と、
魔裟斗の引退を惜しんでいた。「5年後には引退して指導者になっているだろう」と断言するイム・チビン。
国を代表するトップファイターにかけられる大きな期待を背負い、プロファイターとしてもうひと花咲かせる
ことができるか？
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