09/09/22 16:18:30
兵役逃れに対する捜査の範囲が全国に拡大している。警察庁の関係者は21日、1回目の身体
検査で「現役兵」の判定を受けた後、肩の習慣性脱臼（明らかな外傷がないにもかかわらず、軽微な
力で脱臼を繰り返す）を訴えて手術を受け、兵役を免除されたり、4級（公益勤務要員〈兵役の代わり
に公的機関で働く〉）の判定を受けたりした人物を割り出し、手術を行った病院の所在地を管轄する
地方警察庁に対し捜査を指示する方針だ、と発表した。警察はまた、兵役を免除されたり、4級の
判定を受けたりした人物のカルテを国民健康保険公団から受け取って確認を進め、肩の脱臼の手術
以外の手口を用いた兵役逃れについても捜査を進めていく意向だ。
ソウル地方警察庁の広域捜査隊はこの日、現役兵として入隊する対象者らから金を受け取り、
身体検査の日程を延期させるよう仕向けたとして、ブローカーのF容疑者（31）に対する逮捕状を請求
した。F容疑者は2007年1月から今年7月まで、2年6カ月間にわたって「兵役延期サイト」を運営し、
計97人から約9300万ウォン（約708万円）を受け取って、公務員試験のうその申し込みをするなどの
手口で、身体検査の日程を延期させるよう仕向けていた疑いが持たれている。
F容疑者は、心臓疾患の患者の健康保険証で治療を受けさせるという手口により、入隊対象者が
入隊を免除されたり、公益勤務要員の判定を受けるよう仕向けたとして逮捕されたブローカーのA容疑
者（31）と、同じ建物に別の事務所を構え営業していたことが分かった。
警察はまた、A容疑者の帳簿や銀行口座、通話記録の調査を行い、兵役逃れの疑いが持たれて
いる125人のリストを確保しており、このうち実際に兵役を免除されたり、公益勤務要員の判定を受け
た12人のうち一部は、A容疑者と取引をしていたことが確認された。
一方、京畿道一山警察署はこの日、現役兵としての入隊対象者203人がソウル・江南のA整形
外科病院で肩の手術を受け、兵役を免除されたり、公益勤務要員の判定を受けたとされる疑惑に
関し、すでに取り調べを行った94人に加え、さらに約20人に対する取り調べを行った、と発表した。同署
は今週中に、残りの人物に対しても取り調べを行う方針だ。
同署は「これまでに取り調べを行った約110人のうち、61人について事実関係を確認した。病院の
関係者3人を呼び、兵役逃れが目的と知りながら、医師が手術を行ったのかどうか、また兵務庁の
職員の関与はなかったか否かについて解明する方針だ」と説明した。一方、これに対しA病院はこの日
午後、記者会見を開き、「当病院が（入隊対象者に対し）不必要な手術を行ったという警察の発表
は、事実と異なるものだ。患者に対し、兵役逃れのための手術を勧めたことがないにもかかわらず、警察
が事実を歪曲（わいきょく）して無理な捜査を行っている」と主張した。
捜査の対象に芸能人や高官の息子が含まれているかどうかも関心事になっている。警察はA病院で
肩の手術を受けた人物の中に、現役のプロサッカー選手や、バレーボールの韓国代表選手、元プロ
ゲーマーの解説者などが含まれている、と説明している。また、ブローカーF容疑者のメモには、有名
歌手B氏の名前があるが、これについて警察は「F容疑者は“B氏のマネージャーが身体検査の延期に
ついて尋ねてきたため、名前を書いただけで、それ以上の依頼は受けていない”と供述した」と発表した。
一連の兵役逃れ事件が社会的に波紋を広げているのに対し、兵役法で定められた違反者に対する
処罰はあまりにも軽い、という指摘も出ている。現行の兵役法は「兵役を逃れるために身体を自ら傷付
けたり、ニセの診断書を兵務庁に提出したりした者は、1年以上5年未満の懲役刑に処する」と規定
している。これに対し、警察の関係者は「量刑や公訴時効（3年）を延長する必要がある」と指摘した。
（>>2-5あたりへ続く）
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