09/09/16 19:05:10
受注初めて中国下回る、厳しい韓国造船［製造］
韓国の造船メーカーの今年1～8月末の新規受注が、初めて中国を下回ったことが分かった。
金融危機の影響で、昨年下半期（7～12月）以降、韓国が得意とする高付加価値船舶の発注が
急減していることが要因だ。一方、中国は低価格船を中心に受注を増加。手持ち工事量の
中韓の差も縮まっており、韓国の“ドル箱産業”と言われてきた造船産業は依然として
苦戦を強いられている。
韓国経済新聞などによると、今年1～8月の新規受注量をみると、中国が211万1,571CGT
（標準貨物船換算トン）で、全体の新規発注量54.3％を占めた。一方、韓国の受注量は
全体の31.5％の122万2,486CGTにとどまった。中国の新規受注量が韓国を超えるのは初めてで、
このままのペースでは、年間受注量でも中国を下回る可能性が大きい。
1998年以降初めて韓国は2位に転落することになる。
中国の受注が好調な背景には、中国政府の支援がある。
中国の上海外高橋造船有限公司と大連船舶重工集団有限公司は先月末、イランの国営タンカー
会社（NITC）から32万DWT（載貨重量トン）級の超大型オイルタンカー（VLCC）12隻を約12億米ドル
（約1,100億円）で受注した。この際、中国政府系の中国輸出入銀行は、NITCに船舶代金の90％に
達する規模の船舶金融支援を約束したといい、これが受注につながった形だ。
中国の造船メーカーは政府が支援を受ける形で相次ぎ船舶を受注。7月だけで110万CGTを受注し、
全世界の受注量の70％を中国造船メーカーが掌握した。
一方、苦戦している韓国勢の受注は目標の10分の1程度にとどまっており、造船世界最大手、
現代重工業の手持ち工事量は、金融危機前の昨年9月の540隻・625億米ドルから、
今月は382隻・497億米ドルに大幅に減少している。
■手持ち量も逆転か
手持ち工事量でも、中国と韓国の差は縮まっている。
造船・海運専門の調査会社の英クラークソンによると、8月時点での手持ち工事量は、
韓国が5,652万CGTで全体の34.4％、中国は5,500万CGTと33.4％。両国の差はわずか1％に
縮まっている。
これは、中国が低価格船舶を中心に受注している一方、韓国は発注頻度がそれほど多くない
高付加価値船舶を主に受注してきたことが影響している。
韓国は1～2年分の工事量を確保しているほか、造船用厚板価格の下落などにより、
第3四半期（7～9月）の業績に大きな影響は与えない見通しだが、「将来の作業量」が
確保できていない状況だ。
■採算性も悪化
海運不況も長期化の様相をみせていることから、来年初めまでは船舶発注も回復しない見通しだ。
通常、造船メーカーは発注先からの契約金や分割して支払われる代金を企業の運営資金に
投じるが、新規受注がない状況なだけに、造船メーカーの資金不足が懸念されている。
実際、造船各社は現金資産が減っている上、売掛金など売上債権が急増。各社の未回収の
売上債権の規模は、2007年の1兆～2兆ウォンから、現在は5兆ウォン近くまで膨らんでいる。
採算性の低下が業績悪化を招き、韓国の造船産業自体の競争力が悪化する可能性も
否定できない状況となってきている。
NNA 2009年9月16日（水曜日）
URLﾘﾝｸ(news.nna.jp)
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