09/09/05 20:58:02
【北京=野口東秀】中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市で7月に起きた大暴動
からまる2カ月となった5日、現地では漢族によるデモの再燃を警戒し、厳戒
態勢が続いている。現地での胡錦濤国家主席による「社会の安定、民族団結」
の宣伝に効果がなかったことが露呈する中、指導部は市のトップを更迭するな
ど、対応に苦慮している。
ウルムチ市内では5日も大勢の武装警察部隊が展開し、隊列を組み巡回。交通
規制が敷かれた。デモ禁止が公布される中、張鴻副市長は4日夜の記者会見で
「事態は基本的にコントロール下にある」と強調した。しかし、5日も“針刺
傷”事件が市中心部で発生、ウイグル族の男が拘束されたとの情報があるほか、
散発的な小競り合いも起きている。
国営新華社通信によると、中国共産党の新疆ウイグル自治区委員会は同日、ウ
ルムチ市トップの栗智党委書記らを解任した。事態への責任などめぐる措置で、
市民の不満をかわす狙いとみられるが、デモ再燃への懸念は依然として消えて
いない。
3、4日の漢族デモ隊への対処に、ウイグル族の間では「武装警察はデモ隊を
追い散らすだけで、激しい殴打を加えることもない。われわれへの対処とは違
う」(ウイグル族男性)との不満もある。一方、漢族のデモ隊は自治区トップ、
党委員会の王楽泉書記の退任を強く求めている。「治安が保てないことへのい
らだちが漢族に広がっている」(現地新聞記者)もようだ。
デモのきっかけとなった一連の針刺傷事件で拘束した容疑者25人はウイグル
族と発表されており、漢族の怒りはおさまっていない。市トップの更迭にもか
かわらず、不満はくすぶり続けている。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)