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支持団体が流動化
140万人の選択 意識の変化に自民気づかず
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
民主党候補の応援に駆けつけた連合の高木剛会長(右)(8月23日、守山市内で)
「業界は自民党を推薦したが、勝てるとは思っていなかった」。建設会社社長の男性は選挙後、こう打ち明けた。
男性は、かつての国政選挙では、従業員はもちろん、県議や市議にも積極的に働きかけた。
しかし、今回は、個人的な知り合いや同級生に声をかけただけで、社員には「自分で判断しろ」と、
両党のマニフェストを比較する資料を配るにとどめた。
自公政権が進めてきた公共事業の見直しを公約に掲げる民主党。不況で受注が激減し、
さらに仕事を奪い合う状況に耐えられるのか。多くの業者が不安を抱く。
しかし、男性は自身の行動をこう振り返った。
「組織で締め上げて票を集める時代ではない。どんな政権になっても、住民の願いや希望は同じ。
必要な道路や施設は造るという方向は、変わらないはずだ」
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選挙戦最終日。JR駅前の選挙カー上には、民主党候補の隣に県医師会副会長を務める笠原吉孝の姿があった。
「医療崩壊をもたらしたのは誰か。今しかチャンスはない」。笠原は声を張り上げた。
日本医師会の政治活動を担う日本医師連盟は自公政権を支持。
しかし、下部組織の県医師連盟は自主投票を決めた。
診療報酬引き下げ、地域の医療拠点を維持できない現状……。
全国各地で医師や看護師が反旗をひるがえす動きは、滋賀にも及んでいた。
地方参政権を求める在日本大韓民国民団県地方本部の光復節式典。
賛同する候補者の応援方針を初めて打ち出した韓国民団に対し、民主党の田島一成らはそろって「実現に向け努力する」と表明した。
一方、自民党の宇野治らは党内議論に配慮し、明確な発言を控えざるを得なかった。
民主党陣営へ拍手を送る参加者を前に、宇野らは歯がみした。
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支持団体の“流動化”は、民主党に「攻め」の姿勢を打ち出させた。各候補は、これまで働きかけをほとんどしていなかった
保守地盤の事業所に積極的に出向き、自民党支持の中小企業の社長に直接、電話をかける作戦に打って出た。
もちろん、自民党も指をくわえて待っているだけではなかった。「連合傘下も一枚岩ではない」。
労組が強いといわれる事業所にあえて足を運び、演説を繰り返した。
相手の「懐」に手を入れてのせめぎ合いは結局、民主党に軍配が上がった。
「支持団体の意識が大きく変わっていたことにもっと早く気づき、手を打つべきだった。
過去の選挙戦の先入観を払拭(ふっしょく)できていなかった」。自民党の選対幹部は悔やんだ。(敬称略)
(2009年9月3日 読売新聞)
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