09/09/02 12:53:11
>>1の続き
証券会社勤務のヒョン・ソンジョンさん(25)は、7月中旬ごろ同僚と共に夏の休暇を利用し
てシンガポール旅行に出かけた。ヒョンさんは帰国と同時に「手洗い用消毒液」を購入し、
今も常にかばんの中に入れて持ち歩いている。シンガポールに比べて韓国の「手洗い環境
」はかなり不十分なため、「水がなくても手を清潔に保つことのできる消毒液が必要」と痛感
したという。
シンガポールでは観光施設だけでなく、ショッピング施設や地下鉄のトイレなどにも、石け
んや使い捨てタオルがあちこちに備えられていた。また、各トイレに「手を洗うことで新型イ
ンフルエンザへの感染を防ごう」というポスターがはられていた。ヒョンさんは「旅行に行く前
は新型インフルエンザに感染しないか心配していたため、マスクをして飛行機に乗った。
しかしシンガポールの公衆衛生レベルは、韓国よりも間違いなく優れている」と述べた。
夏に香港旅行に出かけた出版社勤務のキム某さん(28)も同じような経験をした。公共の
施設だけでなく、民間のビルや飲食店、空港のチェックインカウンターなどには「自由に使っ
てください」という表示と共に、手の消毒液が備え付けられていた。キムさんは「カフェにもレ
ジの横に消毒液があった。注文して待っている間に手をきれいにすることができた」と語る。
しかし、韓国の手洗い環境はまさに劣悪の一言に尽きる。大学生のシム某さん(25)は数
日前、教会での集まりに参加し、その後夕食を取りにソウル光化門近くにある飲食店に行
った際、非常に不快な経験をした。50席ほどはあるかなり大きな飲食店だったが、トイレに
は手を洗う洗面台がなかった。トイレのドアの前に数枚の濡れた手ぬぐいが積み上げられ
ているだけだった。
シムさんは「この食堂のメニューは豚バラの焼き肉がメインだったが、直接野菜を手に取
って包んで食べる食堂に手を洗う場所がないのだから、まさに開いた口がふさがらなかった。
地下鉄のトイレにも手洗い用の液体石けんがないことが多い。そのためトイレに行くときは、
チェーンのコーヒーショップやファーストフード店をわざわざ探す」と述べた。
■手洗い教育も不十分
手洗いの重要性について学ぶ機会もほとんどない。汎国民手洗い運動本部が行なった
アンケート調査によると、「手洗いについて何らかの教育を受けたことがある」と回答したの
は全体の27.2%だった。ソウル・アサン病院臨床専門看護学科のチョン・ジェシム教授は、
「手洗いの重要性が強調され始めたのは、ここ2年から3年の間だ。最近の小学生は幼稚園
で手を洗う方法を学ぶため、しっかりと洗えているが、大人の方が逆に手洗いについて学ん
だことがない」と語る。
チョン教授は米国疾病予防管理センターの基準を基に▲食事をするときや準備の際▲トイ
レを利用した直後▲トイレから出てきた子供の手をふいた後▲鼻をかんだりくしゃみをした後
▲ペットなど動物に触れた後▲ごみを取り扱った後▲病人の看病などの世話をした場合など
には、必ず手を洗わなければならないとアドバイスする。洗うべきかどうか迷ったときには、
「とにかく洗うべき」とチョン教授は強調する。
>>3に続く